加齢(生後2年)ラット脳外傷モデルを用いて運動による神経保護作用を調べた。脳外傷後の早期に損傷部位周囲で運動群において非運動群に比較し、アポトーシスの有意な減少が見られた。非運動群では多数のアポトーシスが見られた。外傷後の慢性期において非運動群に比較し、運動群では大型の神経細胞数の有意な増加が見られた。非運動群では、小型の障害を受けた神経細胞が少数見られた。外傷後の脳機能評価において運動群で有意な改善が認められた。加齢ラットの脳外傷後の運動は、神経保護作用を示すばかりか、脳外傷後に起こる脳機能不全を改善することが示された。高齢者の脳外傷後のリハビリテーションは有効であることが示唆された。
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