研究課題/領域番号 |
26350601
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究センター) |
研究代表者 |
村岡 慶裕 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (10338254)
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研究分担者 |
石尾 晶代 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (20734875)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 三次元磁気式位置計測装置 |
研究実績の概要 |
本研究は、3D磁気式位置計測装置を用いて、臨床使用可能な片麻痺者用歩行分析システムを開発することを目的としている。従来のストップウォッチ計測による両側平均のステップ長、ケイデンス、歩行スピードに加え、片麻痺者の分析で必要とされる健側患側別のストライド長やステップ長、歩行周期、遊脚/立脚期時間の算出の可能なものを実現する。さらに、足部の軌跡と姿勢変化の計測値から、分回し歩行や下垂足の程度、健側患側の非対称性などの指標も作成し、脳卒中者の異常歩行のパターン分類とその程度も定量化し得るシステムの開発を目指している。 初年度となる今年度は、まず、倫理審査の承認を得て、使用予定の米国POLHEMUS社製無線3D磁気式位置計測装置Patriot wireless systemによる計測に先立ち、同社製有線のpatriot systemにより、研究代表者が発案した歩行分析法(既知の移動距離による補正法も含む)について、光学式歩行分析装置との同時計測により、精度試験を行った。3D磁気式位置計測装置は、本体、原点となる磁界発生源、磁気センサより構成され、半径約1mの半球状の磁場空間内におけるセンサの座標と姿勢角を計測する。提案手法は、受信マーカを両側足背部に、発生源と本体をプラスチック製台車に搭載し、左右のセンサが磁場計測空間から逸脱しないように、進行方向を一定に保ちながら並走させる。リハ訓練室に設置されている10m歩行路などの移動距離が既知の空間で計測を行い、磁場の歪みによる系統誤差の補正も行った。左右非対称歩行など、7.2mの歩行において、左右の進行方向の相対距離の経時変化について、両者間に0.91-0.99の高い相関が認められた。また、共同研究者により、トレッドミル上歩行における進行方向の補正法として、トレッドミルの距離メータの値を既知の移動距離として用いる手法が新たに提案された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
村山医療センターに就職して1年目の非工学系BS(学士)の共同研究者に,本センターの歩行分析装置などの設備機器の操作や解析手法、プログラミングなどを1から教授しながら研究を進めたため、進捗がやや遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究者が1年で退職したため,しばらく研究代表者独りで研究を遂行する。 当初の予定通り米国POLHEMUS社製無線三次元磁気位置計測システムPatriot wirelessにより,システムを構築する。 後半には、患者データの取得も開始する予定であるため、医師との連携を深め、状況に応じて、研究協力者に含める.
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次年度使用額が生じた理由 |
学会が関東近辺が多かったため、旅費や参加費が当初の予定より少額となったため。 今年度も予定していた患者での計測をまだ実施してなく、謝金が未支出のため。
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次年度使用額の使用計画 |
被験者や研究協力者への謝金や、遠方の学会参加費などに使用する予定である。
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