研究課題
本研究の目的は、脳卒中患者を対象として、効果的なリハビリテーション(リハビリ)に求められる心理・性格特性と、その基盤となる脳内ネットワークを明らかにすることである。そのために、種々のMRIの情報を利用することが特徴である。実施計画は、回復期リハビリ病棟入院中の亜急性期の脳卒中患者を対象とし、入退院時に各種の心理評価、リハビリ評価とMRI撮像を行う。平成26年度は、心理・臨床評価体制を構築し、さらに、MRIデータ収集・保存システムを完成させる。そして、実際に、臨床・画像データの収集を開始することを計画していた。そして、27年度以降は、解析システムを完成させ、症例の蓄積に応じ、中間解析を行いつつ、解析方法の詳細を確定して、最終的なデータベースの完成と本解析を最終年度に行うという研究実施計画である。26年度は、計画に沿い、MRIの撮像条件を検討した。脳卒中患者の病態把握には、機能的MRIや拡散テンソル画像などの研究用の撮像だけではなく、T2強調画像やMR血管造影法などの種々の臨床用画像も必要になってくる。それらと、現実的な病院の検査スケジュール、亜急性期脳卒中患者のMRI検査に対する忍容性などを考慮して、横断的・縦断的研究が実現可能な測定プロトコールを作成することが不可欠である。種々のシミュレーション、画像比較検討などを行い、最終的な撮像プロトコールを決めた。そして、大量のデータを匿名化し、保存するデータベースを構築した。また、心理評価についての予備実験で明らかになった問題点(所要時間の長さ、記入漏れの散見など)を踏まえ、評価スコアを見直し、記入しやすいようなデザインとした。そして、本実験を開始した。なお、研究開始に当たり、心理研究、安静時MRI研究計画を倫理委員会に申請し、承認された。
2: おおむね順調に進展している
患者の忍容性、限られた検査時間、その他の制約の中で、予備実験の結果から、実現、継続可能な研究デザインを作成し、実際に、研究計画通りにデータ収集を開始することができた。また、倫理委員会で研究計画の承認を得、研究を実施できる体制を整えた。
本研究の初年度は計画通りに順調に進捗しており、次年度も患者データの収集を継続する予定である。また、データ解析システムを完成させ、MRIデータの病巣、ネットワーク解析のための、前処理から本解析へのパイプラインを構築する。そして、計画通り、適宜中間解析を行い、研究デザインの妥当性を検証していく予定である。
すべて 2015 2014
すべて 学会発表 (8件)