研究課題/領域番号 |
26350604
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
井口 正樹 筑波技術大学, 保健科学部, 講師 (20637087)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 片麻痺 / 聴覚バイオフィードバック / 運動制御 |
研究実績の概要 |
「片麻痺患者に対する聴覚バイオフィードバックによる運動制御に関する研究」を課題名に、該当年度では聴覚バイオフィードバックに必要な音デザインの立案と、まずは健常者への使用を試みた。運動制御の研究では、ある運動課題を被験者が行い、その反応を解析するが、今回は足関節(足首)の動きで目標を追随する課題を音で行うこととした。そのため、追随するための目標と被験者の足関節の角度の両方を音で提示する必要があった。今後は片麻痺患者を被験者に実験を行うが、該当年度では、本課題の実現可能性を検証するために、被験者を健常者で実験した。フィードバックの分かりやすさが重要となる課題であるため、片麻痺患者には考えられる範囲で最もわかりやすいフィードバックを用いて実験を行いたく、音デザインに時間を費やした。 聴覚フィードバックは提示できる情報量では、視覚フィードバックに劣るため、音色や目標から外れた時にのみ再生されるエラー音などの工夫を加えることで、目標の上下や足関節の角度の増減を、単に周波数の上下に割り当てるオリジナル音デザインからの改善を図った。また、視覚障害者に対する聴覚バイオフィードバックの恩恵は大きいと考えられるため、視覚障害者の運動制御に関する研究も補助的に行った。現在、健常者を被験者とした実験データの解析中であるが、オリジナル音よりは良い結果が得られており、片麻痺患者を被験者とした実験の準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
聴覚バイオフィードバックに必要な音デザインの立案と検証が、困難である。「分かりやすさ」は主観的指標で有り、個人差も大きいため、ある程度の被験者数で実験を行う必要がある。また、「わかりやすさ」に実際の「運動パフォーマンス」が伴わないこともあり、試聴後の分かりやすさに関するアンケートでは不十分で、やはり実際に運動パフォーマンスを分析するための実験が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、音デザインに若干の改良を加え、片麻痺患者への実験を行う。具体的には、エラー音の再生タイミングや音色、他の音とのバランスなどを調整する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の遅れに伴う、897,130円の未使用経費の発生。
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次年度使用額の使用計画 |
上記の未使用分については、平成28年度請求分と合わせて、物品や旅費などに使用する。
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