研究課題/領域番号 |
26350606
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
相澤 純也 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, アスレティックリハビリテーション部門長 (60376811)
|
研究分担者 |
古賀 英之 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30594080)
柳下 和慶 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (10359672)
増田 正 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (00358003)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | ジャンプ着地 / 着地衝撃 / バランス / 下肢スポーツ傷害 / 着地前筋活動 / 緩衝能力 |
研究実績の概要 |
膝関節前十字靱帯の損傷リスクファクターとしての床反力や足圧中心軌跡に影響しうる空中・着地時期の体幹・下肢の位置関係、角度、筋活動を抽出することを目的として、引き続き片脚ジャンプ着地動作を解析した。当該年度に健常なアスリートもしくは運動習慣のある成人7名と、膝前十字靱帯再建術後患者8名の計測を実施した。計測課題は20㎝の高さのステップから60㎝前方もしくは外側方にジャンプして着地し5秒間着地姿勢のままバランスを安定させる動作とした。計測は両下肢とも実施し、同じ動作を3回ずつ計測した。床反力は①垂直・前後・左右成分の最大値と、②初期接地から床反力最大値到達までの時間を抽出し、①を②で除した単位時間当たりの床反力を算出した。足圧中心軌跡長は初期接地から床反力最大値までと、それ以降の区間に分けて抽出し各被験者の足長で標準化した。 無線筋電計を使用して、体幹筋(腹直筋、外腹斜筋、起立筋と、着地側下肢筋(大殿筋、中殿筋、半膜様筋、内側広筋)の着地前後の筋活動を計測し、各対象者の最大等尺性収縮時の筋電位で標準化した。 前述した健常者と靱帯再建術後患者において、従属変数を床反力と足圧中心軌跡長としし、独立変数を体幹下肢の関節角度、筋活動として相関分析や重回帰分析を実施し、部分的に有意な相関関係を認めた。これらの関係性に関する情報は、各々のデータの記述統計値を含めて、着地衝撃を軽減するための動作指導に役立ち、今後の介入研究の基礎データとなる。研究成果は学術集会、論文、講演などで随時公表しきた。今後は靱帯再建術後患者のデータをさらに収集しつつ、サブグループ解析などのさらなる分析へと進めていく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画時に予測はしていたが、靱帯再建術後患者との計測日程調整に時間がかかることや、靱帯再建術自体の実施件数に変動があったため。
|
今後の研究の推進方策 |
靱帯再建術後患者の計測をさらに進めながら、計測済データのより詳細な分析を進めていく。靱帯再建術後患者に対しては、筋活動計測の負担を軽減しより多くの被験者を募るために床反力と足圧中心軌跡のみの計測も合わせて進行し、これらのデータから術側と非術側の差や、これらに影響しうる因子を探索する。これらの結果を踏まえて、28年度中期からは、着地時緩衝やバランス安定化を目的とした空中姿勢・筋活動指導教材を作成し、この介入効果をみるために健常アスリート20名と靱帯再建術後患者20名を対象とした無作為化比較試験を開始する。期間的に余裕が出た場合には対象者を追加募集する。計測後は分散分析及び多重比較を用いて群内の介入前後比較、群間ベースライン比較、群間での変化量・率の比較を実施する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
国際学会公表のための旅費および参加費、国際ジャーナル投稿料の使用が次年度に移行されたため。
|
次年度使用額の使用計画 |
国際学会公表のための旅費および参加費、国際ジャーナル投稿料に使用する。また、被験者への謝礼としても使用する予定である。
|