研究課題/領域番号 |
26350607
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
西村 誠次 金沢大学, 保健学系, 教授 (70251965)
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研究分担者 |
立矢 宏 金沢大学, 機械工学系, 教授 (10216989)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 母指 / 最大筋力 / 運動調節能 |
研究実績の概要 |
本研究は,我々が三分力計を使用して開発した手指の筋力測定装置を用いて,母指の各運動方向の最大筋力と,さらに母指の各運動方向の最大筋力50%で運動を調節する能力(運動調節能)を計測し,その再現性を検証した. 対象は事前の説明によって同意の得られた,過去に上肢と手指に整形疾患の既往のない右利きの健常成人32名32手で,平均年齢は21.7±0.6歳であった.測定装置は,三分力計,DCアンプ,A/D変換器を介してオリジナルのソフトウェアで制御し,コンピュータにサンプリング周波数20Hzでデータを取り込んだ.各測定は,肩関節屈曲60°,前腕中間位,手関節背屈40°,母指橈側外転20°,掌側外転40°とし母指IP関節が装置のセンサー部に当たるように行った.計測は,母指の屈曲,伸展,外転,内転をランダムな順序で行なった. 母指の各運動方向の最大筋力は,屈曲が4.32±1.23kg,伸展が1.34±0.46kg,外転が1.40±0.53kg,内転が3.59±1.26kgであった.運動調節能の評価では,1回目と2回目の測定値の相関係数(以下R)は,屈曲がR=0.71,伸展がR=0.90,外転がR=0.84,内転がR=0.76であり,いずれの運動方向においても強い相関を認めた.つまり,本法による母指の最大筋力及び運動調節能の評価の再現性は高いと考えられた.今後はさらに計測回数や計測肢位の影響などを含め,測定方法の基準化の必要性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
測定を制御するソフトウェアの改良に時間を要したために若干遅れ気味である.
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今後の研究の推進方策 |
手関節や前腕の肢位の影響などを含め,運動調節能の測定方法の基準化を行う.また本システムと筋電図測定装置を同期し,本システムの再現性を確認する.
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次年度使用額が生じた理由 |
測定装置を制御するソフトウェアの改良に時間を要し研究が遅れ気味であるため.
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次年度使用額の使用計画 |
測定装置のディバイスの改良,および筋電図測定装置との同期に必要な経費として支出を予定している.
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