• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

骨髄間葉系幹細胞移植およびリハビリによって誘導される虚血脳の可塑性の基礎的解析

研究課題

研究課題/領域番号 26350618
研究機関札幌医科大学

研究代表者

佐々木 雄一  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (00570136)

研究分担者 佐々木 祐典  札幌医科大学, 医学部, 講師 (20538136)
鰐渕 昌彦  札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30343388)
三上 毅  札幌医科大学, 医学部, 講師 (30372816)
中崎 公仁  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70722461)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード脳梗塞 / 骨髄幹細胞 / リハビリテーション
研究実績の概要

脳梗塞の新しい治療法として骨髄間葉系幹細胞(MSC)移植が注目されている。これまでの基礎研究の知見より、骨髄間葉系幹細胞移植による治療効果のメカニズムは、①サイトカインによる神経栄養作用、②血管新生、③脱髄軸索の再有髄化、④神経再生による脳の可塑性の調節、と多段階的に進むことが分かっており、臨床研究の結果より、臨床上の神経症状の回復も、ほぼこれと平行して進むことが判明した。我々は、既に自己骨髄間葉系幹細胞を脳梗塞患者12例に対して経静脈的に移植する臨床研究を行い、良好な結果を得たため、現在、札幌医科大学では、脳梗塞に対する自己骨髄間葉系幹細胞を用いた医師主導治験(Phase III)を実施している。
動物実験では、骨髄間葉系幹細胞移植によって脳梗塞巣の縮小や運動能力の回復が確認されており、失われた運動・感覚機能が回復する過程には、脳の可塑性の変化が大きく関わっていることが明らかになっているが、リハビリテーションとの併用療法によって、脳の可塑性のパターンの変化を検討した研究はない。
本研究では、リハビリと骨髄間葉系幹細胞移植の併用によって機能改善をもたらすメカニズムを脳の可塑性の変化に注目して解析することを目的とする。具体的には、脳梗塞モデルラットに骨髄間葉系幹細胞移植とリハビリテーションの併用療法を行い、相乗治療効果が認められるかどうかを検討し、基盤となるそれぞれの治療効果と併用したときの機能回復のメカニズムを、脳の可塑性のパターンの変化に注目して、神経回路の再構築、シナプス新生などの観点から詳細に解析することを目的とする。
現在までに、本研究費によって、実験的脳梗塞に対するリハビリテーションと骨髄間葉系幹細胞移植併用による治療効果の行動学的(運動機能・学習記憶能力など)解析、MRI解析、免疫組織学的解析を行っている。
以上のように、補助金は補助条件に従って、有効に使用されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までに、本研究費によって、実験的脳梗塞に対するリハビリテーションと骨髄間葉系幹細胞移植併用による治療効果を行動学的(運動機能・学習記憶能力など)に評価している。ラット中大脳動脈永久閉塞(MCAO)モデルは、Intraluminal thread methodを用いて作製し、リハビリと骨髄間葉系幹細胞移植の効果を明らかにするために4つの実験群を設定した。(Group 1;コントロール群:Group 2:リハビリテーション群:Group 3:細胞移植群:Group 4:コンビネーション群)。細胞移植を行う群では、脳梗塞発症後急性期に骨髄間葉系幹細胞を経静脈的に移植している。
リハビリテーション(運動負荷)は脳梗塞発症後1日後よりトレッドミル走行を行っている。運動機能評価は、limb placement test(LPT)、トレッドミル負荷試験で行い、ラットの運動能力の回復過程を評価する。6種類のテストから構成されるLPTでは損傷半球の対側四肢の機能レベルを計測し、トレッドミル負荷試験ではラットの最大走行速度を測定している。記憶・学習能力評価は、Morris水迷路試験で行い、目標到達までのトレーシング、時間を計測して、ラットの記憶・学習能力の回復過程を評価している。

今後の研究の推進方策

実験的脳梗塞に対するリハビリテーションと骨髄間葉系幹細胞移植併用による治療効果を行動学的(運動機能・学習記憶能力など)に評価の継続を行う予定である。特に、ラット中大脳動脈永久閉塞(MCAO)モデルは、Intraluminal thread methodを用いて作製し、リハビリと骨髄間葉系幹細胞移植の効果を明らかにするために上記の4実験群を設定し、実験動物数を増やし、行動学的(運動機能・学習記憶能力など)解析、MRI解析、免疫組織学的解析によって治療効果を詳細に検討する予定である。

URL: 

公開日: 2016-05-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi