研究課題
中大脳動脈永久閉塞モデル(MCAO)ラットを、コントロール群、リハビリテーション群、MSC移植群、併用群の4群に分け、4群間での治療効果を比較検討した。細胞移植群はMCAO作成6時間後に大腿静脈からMSCを投与した。リハビリテーションとして運動を付加する群には、MCAO作成1日後よりトレッドミル走行を毎日行った。運動強度は毎分3mから開始し、1週ごとに毎分3m増加する比較的低強度のプロトコールで進めた。治療効果の検討は、四肢機能評価としてLimb placement testを継時的に行った。また、画像診断学的評価として脳梗塞体積の継時的定量と脳梁の厚さの定量、組織学的評価として脳梗塞周辺領域のシナプス数の定量を行った。四肢機能における結果では、併用群において最大の改善を認めた。その改善は、MCAO作成35日後においてMSC移植群と比較し、優位な改善を示す結果が得られた。脳梗塞体積においても、併用群において最も脳梗塞体積の減少を認め、MCAO作成35日後にはMSC移植群よりも優位に減少していることが判明した。また、脳梗塞周辺領域のシナプスを免疫組織学的に検討した結果、MCAO作成50日後におけるシナプスが併用群において増加していることを認めた。さらに、脳梁の厚さも増加していることを認められた。シナプス数や脳梁の厚さは、運動機能の改善と高い相関を示していた。上記の結果を受け、経過観察後にELISA法により、脳組織、血液などのBDNFの定量解析を行った。各組織のBDNF定量解析を行った結果、脳組織、血漿でのBDNFがコントロール群と比較してMSC移植群において増加していることが判明した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (2件)
Journal of Neurosurgical Sciences
巻: Feb 8 ページ: in press
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Physical Therapy
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