研究課題/領域番号 |
26350620
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研究機関 | 山形県立保健医療大学 |
研究代表者 |
真壁 寿 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (60363743)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ストライドインターバル / スケーリング指数 / エントロピー / 杖歩行 / 脚長差 |
研究実績の概要 |
本研究においてストライドインターバルとは、歩行時の同側下肢の踵接地から次ぎの踵接地までの時間を意味する。本研究の目的は、ストライドインターバルの変動を定量的に評価することによって歩行障害を定量化し、臨床的応用を検討することにある。平成25年度は、1)杖使用と2)脚長差がストライドインターバルの変動に及ぼす影響を検討した。いずれの検討も対象は健常成人女性20名とした。20mの8字歩行路を快適歩行速度で10分間歩行した。C7,L3,両踵に3軸加速度センサーをつけ,ストライドインターバルを求め、その時系列データからスケーリング指数α,Approximate Entropy (ApEn)を求めた。スケーリング指数はストライドインターバルの長期相関、ApEnはストライドインターバルの変動の規則性を表す。1)の検討では、杖なし歩行,2動作杖歩行,3動作杖歩行の3条件とした。その結果、杖を使用することによってストライドインターバルの変動の長期相関は小さくなり,その規則性は向上した。また,2動作杖歩行より3動作杖歩行の方がよりその規則性が向上することが明らかになった。2)の検討では、脚長差なし、脚長差2cm、脚長差4cmとした。その結果、脚長差4cmではストライドインターバルの長期相関が低下し、ストライドインターバルの変動の規則性が乱れることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健常成人において杖使用及び脚長差によってストライドインターバルの変動がどのように変化するかを見定めることができた。現在,臨床応用にむけて膝関節置換術患者を対象にデータ収集と解析を行っている最中です。術前と術後の測定を行うため対象となる患者データをまだ十分に収集できていない。
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今後の研究の推進方策 |
膝関節置換術患者の患者データの収集と解析に力を注ぐ。対象患者の年齢層,術前の状態が一定になるようデータ収集を行う予定である。また,平成26年度には対象疾患をパーキンソン病患者にも広げて測定解析を行う予定です。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費を主にセンサー購入費の物品費に回した。その分、データ収集解析が後追いになった。
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次年度使用額の使用計画 |
人件費としてデータの収集と解析に使用する。
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