研究課題/領域番号 |
26350627
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
伊藤 健一 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 准教授 (30342223)
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研究分担者 |
野中 紘士 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (00565327)
堀江 淳 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (60461597)
川村 博文 甲南女子大学, 看護・リハビリテーション学部, 教授 (20326432)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | COPD / 呼息時電気刺激 / 換気効率 / 機序 |
研究実績の概要 |
タイトル:呼息時電気刺激の効果機序の解明と刺激部位の特定に関する研究 研究目的と方法:本研究の目的は、我々がこれまでに明らかにしてきた呼息時電気刺激がもたらす換気効率の改善が「治療的電気刺激」としての効果なのか、「バイオフィードバック」としての効果なのかを明らかにすることである。また、その結果から電気刺激を加える部位を特定することである。対象者は病院に外来通院するCOPD患者35名である。対象者を1)プラシーボ群(周波数:30Hz、パルス幅:200μs、刺激部位:腹筋群、刺激パターン:10秒毎のon-off交互刺激)、2)治療的電気刺激群(周波数:30Hz、パルス幅:200μs、刺激部位:腹筋群、刺激パターン:呼息同期刺激)、3)バイオフィードバック群(周波数:30Hz、パルス幅:200μs、刺激部位:前腕部、刺激パターン:呼息同期刺激)のいずれかの群に無作為に割り付けた。各群に割り付けられた対象者に対し、「介入なし」での安静5分と自転車運動5分から構成されるプロトコルを遂行してもらいベースライン測定を行う。次に割り付けたそれぞれの「介入」下で同様のプロトコルを遂行してもらい介入時の測定を行う。測定項目は分時換気量、1回換気量、呼吸数、呼吸時間である。 結果:プラシーボ群に対し治療的電気刺激群とフィードバック群では1回換気量の増大と呼吸数の減少が認められた。ただし、治療的電気刺激群とフィードバック群の比較においては明らかな差は認められなかった。 考察およびまとめ:本研究結果より、呼息時電気刺激がもたらす換気効率の改善は「バイオフィードバック」によってもたらされた結果であることが明らかとなった。また、このことから刺激部位は呼息筋である腹筋群以外の前腕部でも良いことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共同研究者が各々の役割を各日に遂行できたこと、研究協力施設での対象者確保が順調に進んだことが順調に進展した理由である。
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今後の研究の推進方策 |
H26年度の研究では呼息時電気刺激の効果機序が明らかになった。しかしながら、COPD患者の動作時息切れの原因である「動的肺過膨張」への抑制に対し、呼息時電気刺激が寄与できているかは不明である。よってH27年度においては呼息時電気刺激がもたらす換気効率の改善と動的肺過膨張(予備吸気量)の関係を解明する。この解明によってCOPD患者に対する新たなリハビリテーション手法としての呼息時電気刺激の科学性が明らかとなる。
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