研究課題/領域番号 |
26350628
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
岩田 晃 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 准教授 (90382241)
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研究分担者 |
樋口 由美 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (60312188)
淵岡 聡 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (30290381)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 運動速度 / TKA / 歩行速度 |
研究実績の概要 |
本研究では,歩行動作を中心とした運動パフォーマンスに対する,四肢・体幹を素早く動かす能力(運動速度)の重要性を明確にすること,さらにその考えに基づく介入研究を実施し,その介入方法を検討することである。 まず,2年前から継続してきた人工膝関節全置換術患者(TKA患者)を対象とした多施設共同研究については,昨年末にデータ収集を終了し,解析,研究成果の発表のフェーズに入っている。この研究では,データ収集が当初の予定より遅れたものの,研究対象者が250名を超え,歩行機能に対する運動速度の重要性を示す結果が得られており,現在,本多施設共同研究に参加している研究協力者らとともに,学科発表・論文作成に取組んでいる。 また,同時に,運動速度に着目したトレーニング(運動速度トレーニング)を,1)TKA術後患者,2)人工透析患者,3)施設入所虚弱高齢者,4)大学野球選手,など多様な方を対象に取組んでいる。また,その介入部位についても,下肢に限らず,体幹や上肢など研究によって変えている。本研究での運動速度トレーニングは無負荷で実施しているため,運動機能が低下した方,また意欲低下の認められる方でも運動に取り組むことが従来の筋力トレーニングよりも容易であり,その点に特性があることが徐々に明らかとなってきた。これらの介入研究では,現在,データ収集段階の研究もあるが,概ね運動速度トレーニングがパフォーマンスの向上に対して,良好な治療・介入方法であることを示す結果が得られている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一昨年度の段階で,多施設共同研究において,1)各病院での倫理審査を通すことに予定より時間が必要であったこと,2)運動速度の測定方法の再検討を行ったこと,3)途中の段階で得られたデータのばらつきに基づき,対象者数を増やすことが必要であったこと,などの理由によって,当初の予定より研究の進行がやや遅れていた。昨年度は,これらの問題がクリアになったため,概ね順調に進み,データの収集を終了することができたが,以前の遅れに伴い,研究全体として当初の予定より遅れている。 また,運動速度に着目した介入研究に関しては,1)TKA術後患者,2)人工透析患者,3)施設入所虚弱高齢者,4)大学野球選手などを対象とした,幾つかの研究に取り組み,こちらは概ね順調に進行している段階である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,TKA術後患者の横断研究の研究成果の発表と介入研究の継続の二つを実施する。 研究成果の発表は,日本理学療法学会や日本リハビリテーション学会を中心に幾つかの学会での発表を行い,また,論文として,整形外科や老年医学などの海外雑誌への投稿を積極的に行う。 また,介入研究については,今年度前半(9月頃まで)には終了する予定である。これらについても,成果発表として学会発表,論文作成を積極的に行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画よりも少し遅れ,成果発表のための使用額が発生しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究成果の学会参加費や旅費,論文投稿時の英文校正,さらに追加データが必要になった場合の経費などに使用する。
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