研究課題/領域番号 |
26350631
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
松永 篤彦 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (00286387)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 慢性腎臓病 / 身体機能 / 身体活動量 / 疾病管理 / 運動療法 / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
平成28年度は、本研究計画の5年間のうちの3年目であり、内科管理状況、身体機能(運動機能)ならびに日常生活活動を含む身体活動量の詳細が把握できた、すなわち本研究の対象者の取込み基準に合致した症例のデータ登録を進めた。特に、平成27年度での登録が50名程度であったが、80名近くまでの登録が可能となった。研究計画では登録者のデータは初期データであるとともに、並行して、縦断的な変化の把握(測定、評価)も実施しており、身体活動量が保たれている患者群とそれ以外とで、腎機能の変化、さらには身体機能ならびに身体活動量の変化も把握できるようになり、運動療法としての長期効果の検討段階に入っている。 平成28年度では、これらの横断的データの解析を実施し、6月に大阪で開催された第61回日本透析医学会(ワークショップ、シンポジスト)と一般演題、同月福岡(産業医科大学)で開催された第99回福岡県理学療法学術集会(特別講演)、7月に広島で開催された開催された第14回日本高齢者腎不全研究会(特別講演)、10月にマレーシア(クアラルンプール)で開催されたアジア理学療法連盟学会(ACPT2016、一般演題)、11月に広島で開催された広島コメディカル透析セミナー(特別講演)、同月、米国のシカゴで開催された米国腎臓病学会(ASN,一般演題)、平成29年2月に開催された第7回透析運動療法研究会(教育講演)、同月につくばで開催された第7回日本腎臓リハビリテーション学会(セミナー講演)において、それぞれ、成果発表を実施した。これらの成果発表は、血液透析治療が導入されていない慢性腎臓病患者(CKD患者)に対する身体機能ならびに身体活動量の管理の重要性を示すうえで、すなわち本研究の意義を示すうえで、大きく貢献できたと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定した患者登録数には未だ達していないが、今後約100名近くの患者の経過観察(2年間近くの縦断調査)が実施できるなど、概ね、研究の目的、すなわち、慢性腎臓病患者に対する疾患管理としての身体機能ならびに身体活動量の把握(運動療法、運動指導)の長期効果が把握できると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
神奈川県、ならびに東京都の内科クリニック(透析クリニックを含む)における患者データの登録の整備が進み、さらに登録患者数を増やす予定である。さらに、運動指導(運動療法)等による長期効果として、身体機能ならびに身体活動量の把握に加えて、腎機能(糸球体濾過率等)への影響の分析を進めて行く予定である。それゆえ、今後も、データ採取を積極的に進めて行く予定である。また、国内ならびに国外の学会での成果発表も予定している。なお、平成28年度に引き続き、データ整理とデータ収集に従事する者を非常勤で雇う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、評価機器の個数が今現在、足りている点や消耗品が予想したよりも少ない点が挙げられる。そのため、次年度に繰り越す金額が発生する予定である。 なお、今後、消耗品(現有機器)の入れ替えや新たなデータ追加、さらにはデータ採取のための研究員への対応等、ならびに国際学会等での成果発表等を考慮すると、計画に沿った予算が執行されると考えている。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度(平成28年度)における研究計画の目標は、慢性腎臓病(CKD)患者の身体機能ならびに生活状況の詳細を把握する患者データをさらに増やすこと、さらには経過観察(縦断研究)のために同CKD患者に対して2回目の評価(調査)を行うことであった。今のところ、経過観察のためのデータは100名近くに及んでおり、概ね順調に進んでいる。今後、さらにデータ採取のための施設等を増やすともに、そのデータ採取のための研究員を増やすことも予定に入れている。
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