研究課題
本研究は、慢性腎臓病患者(CKD)患者のうち、透析治療が導入されていないCKD患者(保存期CKD患者)の身体機能(運動機能、身体活動量ならびに日常生活活動(ADL)を含む))を詳細に評価するとともに、これらの低下の有無と腎機能(CKDステージ)との関連を分析し、一般外来における身体機能評価に基づく運動指導(疾病管理)の効果を検討したものである。身体機能評価に基づく運動指導(疾病管理)内容、特に身体機能等の低下を判断するための有力な評価指標とその基準(カットオフ値)については、血液透析治療が導入されたCKD患者(血液透析患者)に対する疾病管理の成果を検証しながら決定し分析を進めた。このため、本研究の成果は大きく分けて、1)CKD患者の身体機能の特性と生命予後、および疾病管理システムの有用性と、2)保存期CKD患者の身体機能(身体活動量との特性と運動指導の効果の2つに分けて示すことにする。1)延べ1,054名の血液透析患者を対象に、評価項目のカットオフ値を膝伸展筋力の体重比40%、最大歩行速度:男:89 m/min、女:85 m/min、および歩数4,000歩とした際のその後の死亡率、心血管疾患罹患率は大きく乖離することが認められた。2)112名の保存期CKD患者(平均73歳)を対象とした。測定内容は腎機能、貧血、脂質代謝に関する血液データ、合併症スコア、運動機能として筋力、歩行速度、パフォーマンステスト(SPPBなど)、精神機能(抑うつ症状等)およびCKDステージとした。身体機能が低下(上記1)のカットオフ値参照)していた群はそれ以外と比べてCKDステージが悪化した患者の割合が多かった。ただし、その後の1年半の追跡調査の結果、CKDステージの悪化と歩行速度との関連は認められたものの、他の機能との関連は見いだせず、運動指導の著明な効果はさらに長期的な調査が必要と考えられた。
すべて 2019 2018
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