研究課題/領域番号 |
26350632
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
横山 美佐子 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (70439149)
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研究分担者 |
増田 卓 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (30165716)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 運動療法 / 心不全 / 乗馬療法 / 理学療法 / 自律神経活動 / 1/fゆらぎ / ストレス / 血管内皮機能 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、1/fゆらぎを含む機械乗馬を継続介入した心不全患者の運動療法の短期効果を検討するランダム化比較試験を予定していた。しかし、心不全患者に対する継続した機械乗馬の安全性が確保できないという理由から、健常者を対象にした15分の週5回継続した機械乗馬の効果を検討した。また、その効果指標として運動機能(等尺性膝伸展筋力(ハンドヘルドダイナモメーター)、握力、片脚立位時間、10メートル歩行速度)としていたが、対象が健常者であるため、これらの指標は天井効果となりうることと、今後、心不全患者に対して安全に運動療法の効果を測れる項目を検討し、血管内皮機能をアウトカムに設定した。 現在、まずは、1/fゆらぎを持つ機械乗馬への単回の騎乗が血管内皮機能に与える影響を明らかにすることを目的に検討した。方法は、健常成人男性29名を対象とし、喫煙歴・乗馬経験を有する者、運動器・中枢神経・呼吸・循環器疾患を有する者は除外した。馬の動きを再現した1/fゆらぎを持つ乗馬機器に騎乗する群(1/fあり群)、1/fゆらぎを持たない乗馬機器に騎乗する群(1/fなし群)、運動課題を課さない群の3群に無作為に割り付けた。単回15分の乗馬の前後で心拍変動と瞳孔径を自律神経活動の指標、反応性充血指数(以下RHI)を血管内皮機能の指標として測定した。なお、本研究は研究倫理委員会の承認と対象者に説明と同意を得て実施した。結果は、乗馬の前後で1/fあり群では瞳孔径が有意に低下し、他群と比較した際にも有意に低下した。また騎乗前後でRHIは1/fあり群と1/fなし群で有意に増加したが3群間において有意差を認めなかった。単回の乗馬におけるRHIの増加には、有酸素運動による筋収縮による血流増加が関与したと考えられた。 なお、当初の予定である15分の週5回継続した機械乗馬の効果については、自律神経活動と血管内皮機能の改善の関連を含め解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調であるが、当初の計画通り、心不全患者に対する継続した機械乗馬の騎乗の安全性と効果を確認することが必要になり、研究計画の変更が必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
健常成人を対象とした継続した機械乗馬の安全性とその効果を検討する。 今年度は、成果発表と論文執筆を中心に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
学術大会出席のため旅費を計上していたが、次年度の学会参加を計画したため。
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次年度使用額の使用計画 |
日本リハビリテーション医学会とアジア理学療法学会の出席を計画した。
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