研究課題/領域番号 |
26350635
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
舩山 朋子 帝京科学大学, 医療科学部, 准教授 (20460389)
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研究分担者 |
木暮 嘉明 帝京科学大学, その他部局等, 名誉教授 (20016124)
本間 信生 帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (20252017)
内田 恭敬 帝京科学大学, 生命環境学部, 教授 (80134823)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ヒューマンインターフェース / 作業療法 / 情報通信システム / 意思伝達 |
研究実績の概要 |
近赤外分光法(NIRS)による脳血流量変化測定システムを用いて、安静時およびタスク時における酸化ヘモグロビン量(Oxy-Hb)変化の解析からYES/NO 判定方法について検討した。Oxy-Hb濃度変化に伴う音の高低を被験者にフィードバックするフィードバックの有無、Oxy-Hb時間変化のスペクトルをフーリエ解析により求めた。更に測定システムを拡張し、インターネット経由にて遠隔地でもタブレットやノートPC画面で測定システムと同じ画面を介護者が共有できるよう、リモートデスクトップの使用を試みた。スペクトルは周波数1-1.67Hz、0.25-0.42 Hz、0.1-0.17 Hzの3領域に分け、全体と3領域それぞれについて荷重平均による平均スペクトル、最大振動幅、振幅の二乗平均等の17項目において分析を行った。1-1.67Hzは脈拍、0.25-0.42 Hzは呼吸、0.1-0.17 Hzは詳細不明であるも何らかの生体情報に反応しているものと考えられた。特に測定時間短縮の可能性を探るため、30秒データを10秒および5秒に分割し、元の30秒データとの相関を算出した。5秒でも音フィードバックがある場合には、「全体で最も強いスペクトル」「全体最大振動幅」「全体二乗平均」「1-1.67Hz最大スペクトル」「0.1-0.17 Hz最大振動幅」「0.1-0.17 Hz 二乗平均」において0.4以上の相関が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Yes/No 判定向上のため脳血流測定データ分析を、脈拍の影響によるものと考えられる1-1.67Hz、呼吸と思われる0.25-0.42 Hz、詳細不明であるも何らかの生体情報に反応しているものと考えられる0.1-0.17 Hzで分析を行ったところ、Yes/No 判定向上に有用と思われる新たな知見が得られた。このため、17項目の解析法でさらに詳しい分析を試みた。これらに時間を要したため、重度運動機能障害者での調査は未実施である。遠隔地との基本通信システムの構築は、リモートデスクトップを用いて脳血流量測定データ制御パソコン画面をリアルタイムで表示可能かタブレットにPC確認する作業を行った。複数の利用地域・ネットワーク法の調査は未実施である。
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今後の研究の推進方策 |
新たに得られた17項目のYes/No 判定脳血流量測定データ解析法の実用性を検討するとともに、脳波およびモーションヒストリーも併用し調査する。生体情報測定技術に関する商品の開発・発売は著しく日々進歩している。新たに開発された商品の有用性も検証し組合せながら進めていくことで、更なる支援技術向上が見込まれると考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
Yes/No 判定脳血流量測定データ解析に時間を要したこと、予定していた遠隔地との基本システムがWindowsに組み込まれているリモートデスクトップにより実施したため安価で抑えられこと、次年度発売予定のモーションヒストリーがYes/No 判定の検証に有用と考えられたことにより次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
発売予定であるモーションヒストリー、および新たに発売された生体情報測定機器を購入し調査を実施する予定である。
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