運動習慣が慢性痛に及ぼす効果を検証するため,ギプス固定後慢性痛モデル(CPCP)の処置前に運動を負荷(前運動)し,痛み行動への影響の評価を進めている. CPCP処置前の不安や恐怖といった負の精神状態や運動環境への人的介入頻度が自発運動性に大きく影響を及ぼすと示唆されたことから,CPCP処置前に精神行動評価し,運動環境における人的介入頻度に制限を設け,痛みの行動の評価を行った.人的介入頻度を減弱した環境下で,前運動量に依存した広範囲機械痛覚増強の減弱と腰髄アストロサイト活性化の抑制が認められた.運動習慣の確立は,運動器慢性痛の発症予防につながる可能性が示唆された.
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