研究課題/領域番号 |
26350641
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
大歳 太郎 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (40336483)
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研究分担者 |
高田 哲 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10216658)
中井 靖 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (80462050)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 自閉症 / 広汎性発達障害 / 自閉スペクトラム症 / 協調運動 / タブレットPC / プロソディ / 作業療法 / 感覚プロファイル |
研究実績の概要 |
自閉スペクトラム症児(以下,ASD)における感覚面の問題について,臨床では,危険な感覚情報に気づきにくかったり,他者にとって何でもない感覚刺激に対して過敏に反応したりと,日常生活に影響を及ぼす可能性が考えられている。また,手先やからだの使い方が不器用となり,道具の使用や黒板の板書など,集団生活や学業上での困難さも指摘されている。そこで,感覚刺激の反応傾向を評価する感覚プロファイル(以下,SP)を用いて,幼児と学齢児におけるさまざまな感覚刺激への反応傾向の特性を明らかし,協調運動課題やプロソディとの関連を検討することである。 対象は,ASDの診断を受けている児または疑われる児であり,年齢幅は 4歳から13歳までの児89 名(男児70名,女児19名)であった。当該児を年齢により,幼児群44名と学齢児群46名の2群に分類した。SPの象限スコアである「低登録」「感覚探求」「感覚過敏」「感覚回避」の4項目に着目し,評価結果の「平均的」「高い」「非常に高い」の3段階にそれぞれ1,2,3と順位をつけ,幼児群と学齢児群で比較した。 結果,「低登録」「感覚探求」「感覚過敏」「感覚回避」の4項目において,1項目でも「高い」「非常に高い」と回答した保護者は,幼児では32名(72.7%),学齢児では38名(84.4%)であった。「低登録」「感覚探求」「感覚過敏」「感覚回避」各項目における幼児群と学齢児群の比較では,「低登録」,「感覚回避」の2項目ともに有意差(それぞれp=0.009,p=0.044)を認め,いずれも学齢児の得点が高かった。一方,協調運動課題,プロソディともに関連はみられなかった。 幼児群,学齢児群ともに感覚刺激に対する反応が高いと回答している保護者の割合が高く,感覚面の評価を支援につなげていく必要性が示唆された。
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