| 研究課題/領域番号 |
26350644
|
|---|
| 研究機関 | 畿央大学 |
|---|
研究代表者 |
田平 一行 畿央大学, 健康科学部, 教授 (00388901)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
| キーワード | 咳嗽力 / シミュレーション |
|---|
| 研究実績の概要 |
本研究は，声帯部分の抵抗を電気回路の可変抵抗で表したオリジナルの咳嗽モデルで，流量波形をシミュレーションするものである．
今年度は食道バルーンを用いて胸腔内圧を測定し，シミュレーションに利用しており，精度の高いシミュレーションモデルが完成しつつある．但し，まだデータは十分でないため，来年度も継続して測定する必要がある．
また，今年度は消化器外科，呼吸器外科，食道癌手術前後の咳嗽時の流量波形の測定を始めている．術後の咳嗽力低下は，創部痛，肺活量低下，呼気筋力低下だけでなく，声帯機能の低下の影響が大きいことを発見し，理学療法士学会や呼吸ケア・リハビリテーション学会，欧州呼吸器学会で報告した．食道癌では声帯麻痺が起こりやすく，特に声帯機能の影響を受けやすいと思われる．これに関しては来年度報告予定である．
平成28年度の予定としては，健常者のデータを測定し，標準モデルを完成させる．術後患者のデータを整理し，術後の咳嗽力低下の原因をシミュレーションモデルから明らかにしていく．また，健常高齢者，他の呼吸器疾患患者についても測定し，咳嗽力低下の原因について検討したいと考えている
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度は，食道バルーンを用いて胸腔内圧を測定し，標準的なモデルを完成させる事であった．しかし，食道バルーンが侵襲的なものであることから対象者が集まりにくく，また測定手技も難しいため，完成には至らなかった．但し，スキルの高い研究室の仲間に測定の協力依頼をしており，来年度には十分達成できると考えている．
一方，有疾患患者に関して消化器外科，呼吸器外科，食道癌手術における周術期の咳嗽については既に測定を始めており，この点については進んでいる状況である．
|
| 今後の研究の推進方策 |
平成27年度は，食道バルーンを用いて胸腔内圧を測定し，標準的な咳嗽モデルを完成させる事であったが，上記のごとく十分にはデータが集まらなかった．既に研究室内で協力依頼をしており，来年度には完成可能と思う．
一方，呼吸器外科などの有疾患患者については，既に測定を開始しており，今後もデータ収集を継続する予定である．高齢者については，地域の健康増進教室の日程に合わせて測定する予定である．既に関係者には内諾済みである．
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は，上記のごとく食道バルーンの測定が進まなかったため，謝金や消耗品が少なかった．また周術期の測定については，謝金が発生しなかったことも1要因である．
|
| 次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は被験者を増加させるため，その分を謝金と消耗品に当てる．現在，研究の一部をまとめ投稿の準備をしている．その掲載料や各種学会での発表にも利用する予定である．
|
