研究課題
平成26年度は,力学モデルおよび実機を用いて試作1号機の評価を行った.以下にその具体的な内容を示す.● 試作機の詳細な力学モデルを作成し,持ち上げ時に必要となる力を算出した.被験者の身体条件を,身長170 cm, 体重73 kg と仮定し計算を行ったところ,動作初期における副フレームの押し込み動作時には,水平方向に約12.8 kgfの最大力が必要となり,その後,持ち上げる際には垂直方向に 約13.1 kgfの力が必要であることが分かった.一方,小型のロードセルおよびフォースゲージを用いて実機における移乗動作時における力を計測した結果,フレーム押し込み動作時の水平方向力は 約11.3 kgf,持ち上げ時の垂直方向力は 約8.4 kgf となった.垂直力には比較的大きな誤差が発生しているが,その原因は,実験時におけるスリングシートのたるみ具合と関わっているため,妥当な結果であると言える.また,走行時の安定性については,前方耐久加速度が 約4.4 m/s2であり,後方耐久加速度が 約1.5 m/s2と算出された.● 3D-CADソフト:SolidWorks を用いて,有限要素法による機器の強度解析を行った.その結果,主フレームに大きな力がかかることが分かったため,試作1号機の中空棒を変更し,アルミ板を重ねることにより作製した中実棒と交換した.● 2台のUSBカメラ,および3次元モーションキャプチャ:PV STUDIO 3Dを用いて,移乗動作を解析できる環境を整えた.
2: おおむね順調に進展している
1. 試作機の詳細な力学モデルに基づく持ち上げ力の算出,2. 3D-CADソフトを用いた機器の強度解析,並びに 3. 3次元モーションキャプチャによる動作計測 など,研究計画に沿った研究を行い,おおむね期待した成果を得ることができたから.
平成26年度の成果を反映させた試作2号機の設計・製作を行う.
物品が予定より安価に購入できたため.
平成27年度の物品費として繰り越す.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件)
日本機械学会論文集
巻: Vol.80, No.820 ページ: 1-13
10.1299/transjsme.2014dr0381
Journal of Robotics and Mechatronics
巻: Vol.26, No.5 ページ: 649-655