研究課題/領域番号 |
26350652
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
金堀 利洋 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 准教授 (00352568)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 視覚障害 / アクセシビリティ / 携帯端末 / 情報保障 / 読字障害 |
研究実績の概要 |
視覚障害や読字障害といった文書を読むことが困難な状況にある者を対象とし、タッチスクリーンを備えた携帯端末(スマートフォン・タブレット等)を用いて、文書からの高速な情報取得を支援するシステムを研究開発する事が本研究の目的である。 初年度は、サーバー(Apple Mac mini)を購入し、HTML文書を受け取り、情報提示に必要な文書構造を解析し、端末のリーダーで表示するための形式に変換するシステムの開発を行った。点訳を行う点訳エンジン(EXTRA for Windows)を購入し、システムへの組み込み方法の検討を行った。 動作確認・調査用の端末(Apple iPod touch)を購入し、サーバーから受け取ったデータを提示するリーダーの開発を行った。 また、フランスにて開催された、障害者支援技術に関する国際会議であるICCHP(International Conference on Computers Helping People with Special Needs)で"Braille Capability in Accessible e-Textbooks for Math and Science"として、教科書を視覚障害者向けに変換する技術についての発表を行い、そのPre-ConferenceであるSummer Universityにて、ヨーロッパの視覚障害学生に対して、科学技術文書を変換し、内容にアクセスする方法に関するワークショップを行った。 アメリカにて開催された、障害者支援に関する国際会議であるCSUN(International Technology and Persons with Disabilities Conference)にて、読字障害者への電子教科書の作成と提示を行う技術についての研究打ち合わせを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
文書の解析・変換を行うサーバーについて、機器の導入、解析対象の文書を受け取るプログラム、文書の解析・変換を行うプログラムの開発が遅れ、これらを連携させるに至っておらず、全体の動作確認に至っていない。 リーダー部分においても、サーバー側の開発の遅れが影響し、開発が遅れており簡単なプロトタイプの提示に留まっている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の平成27年度計画においては、対象を電子文書(PDF・MS-Word ・DAISY・テキスト)に広げるとしていたが、HTML文書を対象とした、文書解析・変換サーバーとリーダーのプロトタイプの完成を第一の目標とする。開発者は研究代表者一人であるので、開発に時間をかけることはできるだけ避け、システムの設計を見直し、まずは既存の技術の利用を積極的に行い、プロトタイプの完成を早急に行う。 これらプロトタイプを用いて、実際に使用してもらうことで、より効果的な提示・操作方法のための知見を得て、開発にフィードバックすると共に、論文等での発表を積極的に行う。
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