本システムは、(a)文書変換・解析サーバーソフトウェアと、(b)処理された文書の提示インターフェイスの2つにわけられる。(a)のサーバーソフトウェアは、利用者が内容を確認したい文書(画像/PDF/HTML/Word文書/テキストファイル/DAISYなど電子書籍)をアップロードし、それがWordやPDFであれば、テキストの抽出を行なった後、レイアウトの解析を行ない、提示順をつける。画像の場合は、OCR(光学文字読み取り)でテキスト・レイアウトの抽出と解析を行う。(b)のインターフェイスは、処理された文書を、タッチスクリーンを備えたスマートフォンやタブレット上で動作し、次の機能を提供する。(1)一度に読み上げられる単位(読み上げ単位)をピンチイン・ピンチアウトで段落・行・単語に変更が可能。(2)見出しや表・画像など文書の構成要素を2本指スワイプ・3本指スワイプで順に読み上げさせることが可能。(3)読み上げ途中でも、現在の読み上げ単位で先に進めたり、戻したりすることが左右のスワイプで可能。これにより、視覚障害者・読字障害者には難しい読み飛ばし・斜め読みを音声で提示する。 これまで、システムのプロトタイプを作成し、試用と改良を進めてきた。最終年度は、外部に公開するためにサーバーPCを購入し、準備を進めてきたが、実装が間に合わず公開には至らなかった。今後も、研究と開発を続け、近日中の公開を目指す。
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