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2016 年度 実施状況報告書

介助動作re-positioningを頸部・腰部の圧迫力から判定する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26350656
研究機関金沢大学

研究代表者

柴田 克之  金沢大学, 保健学系, 教授 (60178902)

研究分担者 中嶋 理帆  金沢大学, 保健学系, 助教 (60614865)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード介助動作 / re-positioning / 圧迫力 / ズレ力 / スライディングシート
研究実績の概要

健常成人8名を対象に、re-positioning(体位交換)の介助動作を実施した。ベッド上には独力で動くことができない重度な模擬患者が仰臥位になり待機した。介助者は、模擬患者を側方に10cm移動させる課題を行わせた。移動方向は、模擬患者を手前への引き寄せる方法と、前方へ押し出す方法の2条件である。また模擬患者の体幹背部には摩擦係数の小さなスライディングシート設置の有無も比較した。なお介助への身体的な負担は、従来より実施している静的力学モデルを活用して、腰部(L5/S1)の椎間板内の圧迫力とズレ力を算出した。また介助者には、介助のしやすさを問う主観的官能評価を実施した。
結果:介助者の引き動作で4000N-4100Nと押し動作が3800N-3900Nであり、動作の違いによる圧迫力は有意な差を認めなかった。主観的な評価では動作の違いによる差はなかったが、スライディングシートの有無による差では、シートなしが3.2点、シートありが8.3点と2群間に有意な差を示した。REBA分析はスコアが高いほど作業姿勢が高いリスクを有していることを示す指標である。引き動作のREBAは9.4-9.6点、押し動作のREBAは11.1-11.4点で、引き動作が有意に身体に負担を大きかったこと示した。以上の結果から、スライディングシートの使用により、腰部負担を軽減することが明らかとなった。米国国立労働安全衛生研究所(NIOSH)の基準では、腰部負荷の許容量は3400N以下としていることから、今回の2条件(シートなし条件)のre-positioningは、NIOSHの基準を超えた動作であることから、改めては姿勢を移動するre-positioningにはシートを用いた方が、腰部の圧迫力やズレ力が軽減することが明示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本実験を始めるにあたり、様々な課題で予備実験を行った。現在、決められた研究デザインに基づき、健常成人を9名を対象に、re-positioning(再移乗の動作)の課題条件の測定を実施した。

今後の研究の推進方策

主観的な介助のしやすさを官能評価(10段階)を用いたが、将来的には介助中の循環器系への影響を行っていく予定である。すでに既存の測定機器を用いて、予備的な研究を行い、計測データを蓄積していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

現在、行っている課題は、先行研究の測定結果と比較するために、従来の測定機器を用いて行っている。本年度は所有している測定機器を用いて研究課題の評価を行い、新たに機器を購入する計画を実行せず、まずはデータ計測とデータ取集に専念した。

次年度使用額の使用計画

本年度は、従来の測定機器を主体的に実験を行っていく予定であるが、これから課題における測定の信頼性や妥当性を検討していくために、超音波式動作解析装置や関連動作を測定するセンサーなどを購入する予定である。さらに最終年度にあたり、これまでデータをまとめ、論文作成に着手していく計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 姿勢制御と理学療法の実際2016

    • 著者名/発表者名
      分担執筆:柴田克之
    • 総ページ数
      426
    • 出版者
      文光堂

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公開日: 2018-01-16  

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