研究課題/領域番号 |
26350658
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
平井 淳之 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30345996)
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研究分担者 |
駒田 諭 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10215387)
西村 明展 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10508526)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 筋骨格 / 筋力測定 / 筋活動度 / 肢 |
研究実績の概要 |
今年度は前年度に開発した簡易筋骨格モデルを用いた筋力評価手法と、筋活動度推定手法の評価と開発した筋力評価手法を用いた調査活動を行った。 筋力評価手法に関しては、従来の関節トルク測定結果と開発した手法による測定結果の相関を複数の被験者で行うことで、ある程度の相関があることが明らかとなった。また、筋力は測定姿勢によって変化するため、測定姿勢を変化させたときの筋力を筋力測定結果から筋骨格モデルを用いて推定する手法を開発し、推定した筋群トルクが実測した筋群トルクに近づいたことが確認された。さらに、開発した装置を旧宮川村での高齢者の運動機能調査で用い、数十人のデータを収集した。 一方、力発揮タスクにおける筋活動度推定手法に関しては、膝関節の力と筋力の2乗和からなる評価関数を最小化して推定を行った。EMGセンサを用いて実測した筋活動度との比較により、それらの評価割合を決定するパラメータとの関連を調査した。精度の検証は,提案手法と筋力2乗和最小の2つの手法を基に推定した筋活動度をEMGより取得した筋活動度と比較することで行った。本論文では,平均二乗誤差(Root mean square error:RMSE)が最も小さくなる場合を重みの値として決定している。膝関節の力を考慮することで精度の向上は見られたが、重みの値に大きく依存することが確認できた。姿勢や被験者間,筋群毎に最適な重みの値は変化した。 さらに足関節の粘弾性を推定することで痙縮性を評価する装置を新たに開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究成果を2編の査読有り学術雑誌の論文としてまとめ、1件の特許申請、3編の査読付き国際会議において公表した。 開発した手法の評価を行ったことで、ある程度の相関が見られた。さらに、筋力の姿勢変化による変動を推定する手法を提案し、その有効性を明らかにした。また、研究計画通りに数十人の高齢者の筋力評価を行った。 当初計画になかった足関節痙縮性評価装置を新たに開発した。
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今後の研究の推進方策 |
3対6筋モデルに基づく筋力測定システムを用いた多数の高齢者での筋力測定による必要最低限の筋力の割り出しを行う。前年度に筋力測定システムを用いて多数の高齢者の筋力測定を行った。そのデータの解析からロコモを回避できる筋力を3対6筋モデルとして明らかにする。なお、調査では数種類の運動機能の測定も行っており、それらとの関係性も含めて検討を行う。 3対6筋モデルの指定された筋群に対する筋活動推定と制御手法の開発を開発する。ここでは、関節に加わる力を加味した手法とすることで、精度向上を図る。複数の被験者での推定と制御を行うことで検証を行う。 歩行時のアシストが可能な装着型装置の開発と実験を行う。ここでは社会での活用を目指して、安価な簡易構造で歩行時のアシストが可能な装置を開発し、不足する筋力を補う。実用化を考慮して、アシストする筋群を限定することで構造が簡易で小型軽量化を目指す。上で開発する筋活動推定と制御手法を適用し、複数の被験者でその効果を検証する。 足関節痙縮性評価装置に関しては、実際の患者での評価を行い、有効性を示す。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外渡航がなく、装置開発に予想ほど費用がかからなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に海外渡航を計画しており、装置開発を積極的に行うことで使用する。
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