研究課題/領域番号 |
26350659
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
矢野 澄雄 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (20115306)
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研究分担者 |
福田 博也 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (90294256)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 骨強度指標 / 生体計測 |
研究実績の概要 |
1. 転倒骨折や骨粗鬆症に関連して、骨の質・強さを評価する指標作成のため、曲げに対する骨断面係数をCT画像解析して算出している。手首側から前腕骨長の4%部位は骨折しやすい箇所で、20%部位は強度評価に適している皮質骨が多いという相違がある。二つの部位で、筋肉断面積との関係も含めて解析していき、加齢的な推移を調べることには意義がある。 2. 曲げ強さは曲げモーメントと断面係数との比で評価され、断面係数は上記1で求めている値を使うが、曲げのモーメントを生み出す力・荷重を測定・推定するのは本研究の重要な部分である。また、下肢のような荷重骨の場合と前腕のような非荷重骨の場合とを比較しておくことも力学的に大きな価値がある。 3. 下肢にかかる荷重や足底での反力を測定する装置の開発については、製作の次のステップである、力・荷重の大きさと中心位置の誤差評価、力の校正方法も検討した。校正のための専用機はないため、ロードセル4個から構成するフォースプレートを利用することにした。しかし体重レベルの荷重範囲まで校正しようとすると、大きさのある錘を複数個載せると、質量分布の中心の軸がロードセルの中心軸とずれたり傾けて負荷することになり、再現性や信頼性に欠ける。この問題を解決するため、フォースプレートの上に自作のターンテーブルを載せて、180度回転させた出力データの平均から導くと、テーブルの円の中心と錘による負荷の中心軸とを一致させられることがわかった。このターンテーブルによる方法で足型を囲む長方形に9点に順次負荷して、4個のロードセルデータから足の圧力中心位置を算出することにした。錘による荷重とロードセル出力電圧との関係には60kgまで直線性が認められた。この直線の勾配より校正係数は得られる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
骨の質・強さを評価する指標作成のために、骨のCT画像からの断面係数の解析を行って、その加齢的な推移や骨と筋肉の荷重関係の考察へ進めている。強さの評価に用いる力や荷重を測定する装置作りおよび測定法に対しても、足底圧力中心位置の誤差を補正方法に取り組んだ。平成27年度に検討すべき課題はおおむね計画どおり進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
筋骨系の荷重・力を測定・評価する装置の開発について、測定原理や荷重の校正に関わる部分は、圧力中心位置の誤差の補正方法を工夫したり、プロセスを部分的にプログラム化することによって、データ解析・考察へと迅速にできるように努める。これを支援するために、プログラミングや電気回路での信号処理という面だけにとどまらず、共同研究者とより連携を深めることで推進する。そして研究目的である骨の質・強さについて追究していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画した物品は購入できたが、送料または消費税分と考えられる50円程度が残って未使用になった。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度の研究計画に沿って購入予定の力・荷重の測定用センサや校正用の物品に、2015年度未使用金額と合わせて使用する。
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