本研究は、(1)聴覚機能の保護技術、(2)聴覚機能の改善技術、(3)音声の明瞭度改善技術、の3点に関して検討している。まず、(1)については、音量を徐々に減衰させた時にいつ知覚するか評価を行った結果、減衰を始めてからおおよそ12dB~13dBの範囲で知覚していることが分かった。次に(2)については、様々な周波数やレベルの音を繰り返し聞き分けるトレーニングにより、語音識別能力が改善されることが確認できた。最後に(3)については、明瞭度の低い人のホルマント周波数を高い人のホルマント周波数シフトさせる処理により明瞭度を改善することが確認できた。
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