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2014 年度 実施状況報告書

タブレットを用いた注意機能評価のデータ収集システムの開発と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 26350662
研究機関札幌医科大学

研究代表者

大柳 俊夫  札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (70177020)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード反応時間課題 / 注意障害 / 評価 / タブレット
研究実績の概要

注意機能は、人間が日常活動を安全かつ円滑に行う際に必要不可欠なもので、同一の人でも置かれた環境の違いなどの様々な要因で変化することが知られている。このため、臨床現場で行われている注意機能検査の結果が必ずしも対象者の日常生活の行動状況を反映するものとはなっていない状況にある。そこで本研究では、タブレットを使って高齢者や脳損傷患者らの対象者自身が自宅で注意機能評価を実施し、その結果に基づいて、対象者の日常生活を支援するシステムの開発を目的として、本年度は以下の調査ならびに研究開発を行った。
(1) 注意機能評価のための反応時間課題を開発し、健常若年者20名、健常高齢者20名、中枢神経障害患者17名、を被験者として開発した課題の試験をiMac27インチを使って行い、注意障害所見を判断するための反応時間課題として感度と特異度がともに80%以上であることを確認した。
(2) iMac27インチにUSBで接続して反応時間を高精度計測しているSMART機器のタブレット版を開発するために、データ通信としてBluetooth Low Energy(BLE)を利用できるマイクロプロセッサについて調査した。そして最終的に、現在のSMART機器で利用しているCypress社の最新のマイクロセッサであるPSoC4 BLEの利用が本システムの開発に最適であると判断し、このマイクロプロセッサを利用したタブレット版SMART機器の基本設計を行い、開発に着手した。
(3) iOS上での反応時間課題の実装の準備として、iMac27インチで利用している反応時間課題の中の単純反応時間課題と呈示反応時間課題をSwift言語で開発し、iPad上での動作を確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、本研究課題で利用する計画の反応時間課題を使って、若年者、高齢者、脳損傷患者を対象とした実験を行い、反応時間の結果と注意障害所見の関連性を明らかにした。また、タブレットベースのシステムを開発する上で必要となる要素技術の調査を終え、新しい高精度で反応時間を計測する機器をCypress社のPSoC4 BLEマイクロコントローラを利用することとし、このマイクロコントローラを使った機器の開発に着手した。さらに、反応時間課題を実装するiOSとAndroidの開発のための環境を整え、iOS版の反応時間課題のプロトタイプの開発に着手した。

今後の研究の推進方策

平成27度の前半は、タブレット版のSMART機器とiOS版の反応時間課題を開発し、タブレット上でもiMac27インチと同じ精度での反応時間課題が実施可能であることを確認する。その際には、健常若年者を対象にiMac27インチ版とタブレット版の反応時間課題を実施してデータを収集する。また、実験を通して、開発したタブレット版の不具合、更なる改良の方向性を明確にし、システムの修正を行う。
平成27年度の後半は、高齢者、患者を対象とした実験を実施し、反応時間のデータ、既存の神経心理学検査(現段階では、Trail Making Testと線分抹消課題の利用を予定している)の結果を収集し、データベース化を進める。

次年度使用額が生じた理由

今年度は研究の初年度であり、残額は今年度予算の1%未満であったため、次年度への繰り越した方が、予算の有効活用になると考えた。

次年度使用額の使用計画

今年度の残額は、アップル社のiOSの開発のためのプログラム(Aple Developer Program)の2015年度の登録費(12,744円)の一部として4月に手続きを行った。27年度の予算は、当初計画の通り執行する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 反応時間を用いた動的な視覚刺激の変化に伴う注意障害の評価法の開発について2015

    • 著者名/発表者名
      金谷匡紘、山田恭平、大柳俊夫、中島そのみ、仙石泰仁
    • 雑誌名

      札幌医科大学 札幌保健科学雑誌

      巻: 4 ページ: 9-16

    • 査読あり
  • [学会発表] New reaction time tasks for assessing inattention of people in Occupational Therapy2014

    • 著者名/発表者名
      Toshio Ohyanagi, Kunihiro Kanaya, Yasuhito Sengoku, Masako Miyazaki
    • 学会等名
      Psychonomic Society 55th Annual Meeting
    • 発表場所
      Long Beach (California, USA)
    • 年月日
      2014-11-20 – 2014-11-23

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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