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2015 年度 実施状況報告書

甲状軟骨(のど仏)の移動距離に着目した非侵襲・嚥下機能評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26350663
研究機関昭和大学

研究代表者

飯塚 眞喜人  昭和大学, 医学部, 講師 (40274980)

研究分担者 冨田 和秀  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (00389793)
武島 玲子  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (30188180)
泉崎 雅彦  昭和大学, 医学部, 教授 (20398697)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード嚥下機能評価 / 嚥下リハビリテーション
研究実績の概要

本研究では食べ物の飲み込み(嚥下)に伴う「のど仏」の移動を頚部表面から精密に測定する装置の開発、嚥下機能評価におけるこの装置の有用性の検証、装置の嚥下リハビリテーションへの臨床応用を目指している。平成26年度は外寸1.5×7×3.6mmのステンレス容器の中に、約1.2×5mmのピエゾフィルムを入れた圧力センサーを作成した。平成27年度は、このセンサー5つを3.0 mm間隔で種々の硬度のウレタンゲルで挟むことによって、センサー間の干渉を完全に抑えることに成功した。さらにセンサーを手のひらに乗せることができる大きさのポリウレタンゲルシート(縦100 mm、横80 mm、厚み8 mm)に埋め込んだ。シートのセンサー部分を「のど仏」周辺部に軽く密着させ、嚥下時にセンサーから出力される電圧変化を記録した。嚥下時に2山の圧信号が検出され、「のど仏」の頭側に配置したセンサーほど2山の間隔が短くなった。男女とも同様の波形が得られた。それぞれのピークは対応するセンサー位置を「のど仏」が通過する時点であると考えられた。最も2山のピーク間隔が長い記録の間隔を嚥下時間としたとき、男0.78±0.22秒、女0.80±0.24秒であった。上昇時の圧ピークを嚥下反射開始時点としたとき、嚥下指示からの潜時は男0.53±0.11秒、女0.56±0.18秒であった。視覚的に「のど仏」が不明確な女性においても記録できた。本装置は嚥下機能評価に用いることができ、嚥下リハビリテーションの評価にも有用と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度の目標であった「ピエゾ圧センサーアレイシートの作成」は、あらゆる基板やフィルムの厚さを検討したが、センサー間の干渉を抑えることができず、平成26年度に達成できなかった。しかし平成27年度、個々の独立した最小のセンサーおよび信号増幅器を作成し、ウレタンゲルに等間隔に埋め込むことによって、センサー間の干渉を完全に抑えることに成功した。そしてこのセンサーアレイを用いて健常男性より命令嚥下時の「のど仏」の移動に伴う圧変化を頸部表面から記録することに成功した。さらにこれまで他の手法ではとらえることが困難であった女性の嚥下に伴う「のど仏」の移動を記録できた。

今後の研究の推進方策

平成28年度は当初の計画通り、嚥下リハビリテーションにおける有用性について検証を行う。

次年度使用額が生じた理由

試作装置ではセンサー数が5つのため多チャンネルのADコンバーター(LabView開発システム)が必要にならなかった。

次年度使用額の使用計画

「のど仏」の移動距離全体を把握できるようにセンサー数を増加させる。現在の3mm間隔でセンサーを並べた場合、25センサー必要である。このセンサーアレイシートと増幅器、LabView開発システムの購入等に予算を使用する。

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公開日: 2017-01-06  

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