研究課題/領域番号 |
26350664
|
研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
大島 徹 富山県立大学, 工学部, 教授 (60223806)
|
研究分担者 |
藤川 智彦 大阪電気通信大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80321420)
阿部 友和 星城大学, 公私立大学の部局等, 助教 (90460625)
小柳 健一 富山県立大学, 工学部, 准教授 (30335377)
本吉 達郎 富山県立大学, 工学部, 助教 (20533061)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 二関節筋 / 一関節筋 / 下肢装具 / パンタグラフリンクモデル |
研究実績の概要 |
大腿部(股関節と膝関節)の拮抗一関節筋と拮抗二関節筋による3対6筋から成る協調制御モデルを基本として,筋配列と力制御,軌道制御,外力への挙動における共通点,相違点を明確にし,筋配列による運動制御について理論体系化した. 股関節拮抗一関節筋,膝関節拮抗一関節筋,両関節拮抗二関節筋の3対6筋モデル,股関節拮抗一関節筋,膝関節拮抗一関節筋の2対4筋モデル,股関節拮抗一関節筋,両関節拮抗二関節筋の2対4筋モデル,膝関節拮抗一関節筋,両関節拮抗二関節筋の2対4筋モデルの4つのモデルを比較した.その結果,力出力に関しては,いずれのモデルも任意の方向への出力が可能であるが,剛性特性の観点から,股関節拮抗一関節筋,膝関節拮抗一関節筋,両関節拮抗二関節筋の3対6筋モデルと膝関節拮抗一関節筋,両関節拮抗二関節筋の2対4筋モデルの2つのモデルが抗重力性において卓越した安定能力を有することが明らかとなった. これより,2対4筋モデルに対して,さらに拮抗二関節筋をメカニズムとしてのリンクとし,拮抗一関節筋を駆動源したパンタグラフリンクモデルへ拡張し,その力学的な基礎を明確にした. さらに,2対4筋モデルおよびパンタグラフリンクモデルをヒトの立ち上がり動作に適用し,筋電図解析を行ったところ,これまで3対6筋で検討されてきた立ち上がり動作が,2対4筋モデルおよびパンタグラフリンクモデルで表現できることが明らかとなった. パンタグラフリンクモデルによって下肢装具のメカニズムを構成できる可能性が示された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これより,2対4筋モデルに対して,さらに拮抗二関節筋をメカニズムとしてのリンクとし,拮抗一関節筋を駆動源したパンタグラフリンクモデルの基本的は機能的特徴は明らかとなったが,歩行を対象とした場合の抗重力効果,姿勢の安定性,推進力の挙動について検討が現在進行中である.また,メカニズムの機構学的なパラメータと運動学的な挙動の関係を明確にし,パンタグラフリンクメカニズムによる下肢装具の運動制御として統合する必要がある.
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの成果を,歩行を対象としたパンタグラフリンクメカニズムによる下肢装具の運動制御として整理し,下肢装具のメカニズムのデザインコンセプトを提案する. 次に,提案されるメカニズムは,パンタグラフメカニズムにより筋力を有効に歩容の改善に生かす外部動力を用いないタイプとするが,さらに歩行器と装具を連動し,歩行器の運動で装具の歩容を生成するタイプ,外部動力によって筋力を支援するタイプへの拡張を検討し,考えられこれらのプロトタイトとして提案する.
|
次年度使用額が生じた理由 |
4円の少額端数のため使用目的なし
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度に合算して物品費として使用予定
|