本研究開発課題は、ALS(Amyotrophic Lateral Sclerosis;筋萎縮性側索硬化症)などの患者(対象者)と介護者を対象とした意思伝達支援装置である、電子透明文字盤を開発するものとした。平成28年度は開発品の操作性、効果などについて定量的な方法で評価し、従来の樹脂製透明文字盤と比較して開発品の効果を検証した。検証の方法として、健常者を被験者(文字盤を操作する者)とし、従来の樹脂製透明文字盤を対照として用い、開発品の操作時における被験者の視線移動を定量化して評価した。視線移動の定量化には装着型の眼球運動測定システムを用い、操作時における眼球運動を視線移動とみなして、ターゲットとした文字の位置と視線の一致性、視線移動の時間、行程について定量化した。また同時に被験者及びの矢状面からHDビデオカメラで操作状況を撮影し、被験者と文字盤の文字を意思表示する者の頭頚部、体幹の動作を記録した。評価結果から設計時に想定した操作、機能が可能なことが確認された。
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