胃ろう(PEG)等による経腸栄養補給において、下痢や胃食道逆流、誤嚥性肺炎などの合併症を低減するために濃厚栄養剤へ凝固剤を添加した半固形化栄養法が利用される。 本研究では、半固形化栄養剤調製時の粘度急増や離水のような問題発生要因を探求するために、化学反応を脱水により停止して復水後の物性変化や離水状況を調査した。結果、半固形化栄養剤を脱水後に等量の水を加えて復水しても粘度は脱水前の状態にまで復元しなかった。この結果より凝固剤と栄養剤が化学反応して3次元網目ネットワーク構造を形成し、脱水した後に水を加えて復水しても元の網目内に水は戻りきらず、半固形体と水が共存する「離水」が生じたと結論づけた。
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