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2015 年度 実施状況報告書

認知症高齢者用の疾患特異的な移動能力指標の開発と転倒発生プロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 26350684
研究機関吉備国際大学

研究代表者

齋藤 圭介  吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (20325913)

研究分担者 平上 二九三  吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (60278976)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード認知症高齢者 / 移動能力指標 / 尺度開発 / 転倒発生プロセス / 知的機能 / 行動・心理症状
研究実績の概要

平成27年度は,第1に通所施設集団を対象とした移動能力指標の交差妥当性を検証すること。第2に医療施設入院標本における転倒予測研究のための高頻度反復測定データの収集を進めること。以上2つを取り組み課題として設定した。
第1については,平成26年度の検討で一般高齢者用指標である Rivermead Mobility Indexの認知症高齢者標本における信頼性・妥当性を確認しており,その成果はレフリー誌「理学療法科学」で公表済みである(福永 裕也, 齋藤圭介,他:認知症高齢者に対する行動観察に基づく移動能力指標の信頼性と構成概念妥当性の検討.理学療法科学 30(1) 1-6,2015)。しかし近年の研究でTinetti Performance Oriented Mobility Assessmentなど他の移動能力指標の認知症への応用例が複数報告されたことから,最終的な移動能力指標の確定を慎重に行うべく,医療施設標本で新たな指標の応用可能性の検討を継続した。通所施設での研究実施に向けた調整については順調に進んでおり,平成28年度に計画している通所施設標本で転倒予測研究のデータ収集と共に交差妥当性の検討を実施することを計画している。
第2について,医療施設標本での縦断データの収集は順調に進んでおり,これまでに約170名のモニタリング調査を完了している。移動能力の状態を加味した新たな転倒予測モデルの構築を進め公表準備に着手しているが,確固たる転倒予測モデルの構築を目指し,次年度においても通所施設での研究と平行して対象者の蓄積を継続する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究手続きの中で労力を要する医療施設標本での縦断データの収集は,順調に進めることが出来た。
通所施設集団での交差妥当性の検討については,時期を敢えて遅らせて移動能力指標開発に向けた検討を継続している。これは近年の研究で認知症高齢者への移動能力指標の応用例が見られ,それら指標を含めた検討が必要になったからである。移動能力指標の内容を変更する事となれば,再度の交差妥当性の検証,ひいては転倒予測モデルも変更しなければならなくなる事を避けるための配慮である。既に通所施設で転倒予測研究のデータ収集と共に交差妥当性の検討を行う体制は整えている。

今後の研究の推進方策

医療施設における検討においては,認知症高齢者を対象とする移動能力指標を早期に確定させると共に,転倒予測研究のための高頻度反復測定データの収集を可能な限り継続する。ならびに,通所施設集団での交差妥当性と転倒予測モデルの一般化可能性の検討を実施し,それぞれの知見を学会発表ならびに論文化し公表を図る計画である。

次年度使用額が生じた理由

調査実施に関わる物品費をはじめとする経費が,想定より安価で済んだからである。

次年度使用額の使用計画

平成28年度に関しては,通所施設標本での交差妥当性に関する検証と転倒予測研究のデータ収集に関連し,消耗品費,研究協力者との打ち合わせと学会出張旅費,対象者家族への通信費,報告書作成,文献書籍代での使用を計画している。
次年度使用額は,調査関連費用と文献書籍代に充てる予定である。

備考

researchmap
http://researchmap.jp/read0210991/

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 高齢心不全患者における歩行自立度の予後不良な集団特性と移動能力の回復過程に関する検討2016

    • 著者名/発表者名
      北村匡大,齋藤圭介,水谷雅年,横井輝夫,八重倉政和,三村由美,永島ひとみ
    • 雑誌名

      理学療法学

      巻: 43 ページ: 47-55

    • DOI

      http://doi.org/10.15063/rigaku.11017

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大腿骨頸部骨折患者の栄養状態からみた歩行能力の経時的変化2015

    • 著者名/発表者名
      岡本伸弘,増見伸,水谷雅年,齋藤圭介,原田和宏 中村 浩一
    • 雑誌名

      理学療法科学

      巻: 30 ページ: 523-527

    • DOI

      http://doi.org/10.1589/rika.30.523

    • 査読あり
  • [学会発表] 回復期病院における大腿骨頸部骨折後低栄養患者の歩行能力回復と栄養状態改善の関連性2015

    • 著者名/発表者名
      岡本伸弘,増見伸,中村浩,水谷雅年,齋藤圭介
    • 学会等名
      第50回日本理学療法学術大会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム(東京)
    • 年月日
      2015-06-01

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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