本研究では、体育科の授業研究に存在する一連の流れを整理してその意味を検討した。研究授業で学ぶ内容や研究協議会、実技研修の意義、外部講師の機能は、多様であると同時に職階や属性で軽重があることが明らかになった。また、研究成果や教師を架橋するシステムとして、「授業研究を研究する場」を構築し、その有効性を検討した。そこでは、教師が自身のライフヒストリーを開示し合うことで他者及び自己との対話が成立することや、自己認識を更新する場として機能することが示唆された。こうした場の提供は、研究組織を牽引するミドルリーダーの教師や、教師教育に関わるベテラン期の教師にとって価値があると思われる。
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