研究課題/領域番号 |
26350712
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
土田 了輔 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (00251869)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ゲーム理解 / 原理 / ボールゲーム |
研究実績の概要 |
本年度は,ボールゲーム指導に関する一般理論について言及している文献がないか資料を収集して検討した.現在,グリエーニュらによるヨーロッパの文献にたどり着いて翻訳を進めているところである. このヨーロッパ,主にフランスを中止にしたボールゲーム指導の一般理論について,昨年度は2度に渡り,研究会で発表をし,意見交換をしている.この論の特徴は,混沌としたゲームの中で,「攻」「防」というコンセプトを既有のものとするのではなく,ゲームの中に,攻撃や防御になる母体(matrix)がある,という考え方をしている点がユニークである.これまで,私達の研究グループが,社会構築主義の立場に立ち,ゲームの周辺にある様々なコンセプトを,既存で正しいものとして捉えず,ゲーム関係者により構成されていくと捉えている点に類似している点が興味深い. また,今回の研究の中心である,学習内容としてのゲームの原理について多く書かれている点,ならびに,「役割」というキーワードでゲーム指導をとらえている点等,研究遂行上参考になることが多く見出されている. 加えて,3月には,米国の体育スポーツ連合(SHAPE America)に参加し,ボールゲーム指導に関する発表者と情報交換をした.米国の体育に関する動向を見ると,時数や活動量確保の関係から,ゲーム文化を教えるというより,ボールゲームに見られる「動き」をエクササイズとして実施している傾向が顕著になったことがうかがえた. 当初予定では,豪州にて研究会発表の予定であったが,カンファレンス(Game Sense Conference)が平成27年度開催となったので,現在発表準備を検討中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献の精査に時間がかかっていることと,国外での学会発表が,カンファレンス開催の都合もあり,平成27年度にずれ込んでいることに鑑みて判断した.
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今後の研究の推進方策 |
今後もフランスモデルの文献の翻訳を進めるとともに,これまで検討してきた「ボールの攻撃性」の原理等について,国内外の学会や研究会で発表し,情報交換をする.加えて,大学生を対象として同アイデアを用いた授業を実践し,データーを収集している.当初は言語活動の均等化等について発話記録を分析する予定であったが,データー収集時の機器操作の人員が不足しているため,分析を加えるグループを減らすか,記載記録のみの分析とするなど,修正を検討中である.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は,当初予定していた国際会議の開催が,次年度開催になったことがあげられる.
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度はボールゲーム指導に関する国際会議(Game Sense Conference)が開催決定したので,参加,情報交換の予定である.
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