研究課題/領域番号 |
26350712
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
土田 了輔 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (00251869)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ゲーム理解 / 原理 / ボールゲーム |
研究実績の概要 |
本年度は,ボールゲーム指導で重要な学習内容となり得る「ボールの攻撃性」に関する学会発表を行った。(土田了輔,ボール運動系の内容に関する開発研究-ボールの攻撃性について-,日本体育学会第66回学会大会(於:国士舘大学)2015. 8.26),(Ryosuke Tsuchida & Ryoji Isano,Principle Based Teaching Approach for Understanding Games. 2015 Game Sense for Teaching and Coaching Conference, (於:カンタベリー大学NZ)2015.11.17)。発表内容は,ボールが移動する“速度”に注目すれば,ボールゲームの戦術の立案は,攻防ともに,このボールの移動速度を「高めるか(攻撃)」,「減じるか(防御)」という点に立脚していることを明らかにした点である。そして,実際にこの「ボールの攻撃性」をテーマにしたタグラグビーを簡易化したゲームの実践について,国際会議(2015 Game Sense for Teaching and Coaching Conference)で発表した。 「速度」に着目した理由は,速度を決定する変数が「速さ」と「方向」であるため,たとえば,防御側の戦術課題を,「(相手の)ボール移動の速さを減じ,移動方向をゴール以外の方向に変える(迂回させる)」などと,球技の専門用語を使用せずに学習者の理解を促進できる点である。学習者には,「迂回・直進」などと説明している。 このような用語で実践した授業について,学習者の気付きに焦点を当てて,今後,検討予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は予定通り,国内外の学会で研究成果の一部を発表できたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も文献の精査を進めるとともに,ここまでの研究の成果を論文として執筆する予定である。また,今回明らかにしたボールゲーム戦術立案上の原理を応用した実践の成果と課題について検討し,実践研究としてまとめられないか検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
3月下旬から4月初旬に,例年は米国のSHAPE AMERICAの国際大会に参加して情報収集や意見交換をする予定であったが,年度当初の学内行事の都合と,意見交換予定であった米国の研究者が6月に来日してワークショップを開催することがわかったことから,この渡米を中止した。この際,旅費として計上していた分が未使用となった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究成果をまとめた冊子を作成予定であるが,H27年度の国際学会での発表成果も踏まえ,冊子の英語版も作成したい。英語版の作成にはネイティブチェックが必要となることから,その経費に充当する。
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