本研究では,幼児期における「遊び込める」という状況を規定する要因を尺度開発を手がかりにして明らかにした。幼児の「遊び込める」は「受容,共感,応答の循環」「環境への能動」「探求への意欲」「創造,想像の収束と実現」「親和と共有」の5因子23項目によって構成された。続いて,幼児の身体的な活動,特に自由遊びのなかでのドッジボールを対象として,遊び込める環境を構築する「質の高い遊び」について,尺度を利用して検討した。幼児期における運動遊びは,もの,ひと,ことのかかわりを通して,遊び込めるというプロセスが生まれ深まることが考察され,運動遊びの心理社会的効果として捉えられた。
|