スポーツ実践における人間の生の経験が人間的な存在への問いと不可分であるという認識に立ち、児童・生徒の「心と体」の問題の解決に向けて、スポーツを教材とする体育に何ができるのか、その人間形成の可能性について検討した。スポーツにおける「他者との交流」や「コミュニケーション」から得られるわれわれの多様な生の経験を、体育という人間形成の営みに取り込むことで、児童・生徒が直面する「心と体の問題」解決への方策を提示することができる新たな体育論の構築を目指す。そのため、人間的な実存レベルでの問いかけを哲学的人間学の立場から行いながら、「スポーツにおける人間の生の経験」の身体教育への応用について考察を行った。
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