研究課題/領域番号 |
26350719
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
野崎 武司 香川大学, 教育学部, 教授 (80201698)
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研究分担者 |
米村 耕平 香川大学, 教育学部, 准教授 (20403769)
細越 淳二 国士舘大学, 文学部, 教授 (70365526)
小方 朋子 香川大学, 教育学部, 准教授 (80284339)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 体育授業UDモデル / 学習内容構成 / 教材構成 / 指導法開発 / 子ども理解 / 教材開発 |
研究実績の概要 |
本研究は、体育授業研究と授業UD研究を接合させることを通じて、若手教員、体育を専門としない小学校教員にも、体育授業の楽しさに手軽に触れることができるような教材と授業モデルを開発し、その検証(実践と省察)を行うことを目的としている。平成26年度は、体育授業のUDモデルの開発を行った。 これまでの他教科の授業UDモデルを参照し、「焦点化」「視角化」「共有化」などのキーコンセプトを、「学習内容の構成」「学習内容へ誘う教材の構成」「子どもと学習内容をつなぐ指導方法」という観点で、体系的に整理し直し、新しい体育授業UDモデルとして提起した。 加えて、授業構想の道筋を「イメージから論理へ」といったこれまでの考え方を、体育独自のものとして「身体運動体験からイメージへ、そして運動の原理へ」という考え方に置き換えてみた。 国語や道徳など、これまでの授業UDの先進的な実践家を招聘し、大学教員、小学校教員、学部生、大学院生を交えた授業づくり研究を2回行い、体育授業のUDモデルの妥当性を検討した。 新しい体育授業UDモデルは、ある程度有効なものとして確認されたが、いくつか課題が残された。(1)発達障害などの影響で運動が苦手な子どもを対象とする場合、まず基礎的な運動感覚づくりが不可欠であること。学び合う活動の以前に、多様な運動感覚づくりが重視されるべきこと。(2)運動の苦手な子どもを対象とするとき、運動学習の内容を極めてシンプルにすることが必須であること。「わかる」「できる」までの道筋がシンプルで、手だてが明確であること。(3)学習内容が複合的な運動課題(オープンスキルなど)では、教師による的確な「焦点化」が不可欠であること。何ができるようになることを目指すのかといった「焦点化」は、子どもの実像の的確な把握が不可欠である。 以上から、実用性の想定されるなわとび教材をいくつか開発することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)体育授業のUDモデルを提示することができた。 (2)これまでの授業UDの先進的実践家と共に、体育授業のUDモデルを使って、授業づくり・教材づくりの研究会を行い、具体的に体育授業のUDモデルを試行することができた。 (3)体育授業UDでの授業開発にあたり、課題となる点を整理することができた。 (4)実用性の期待できるなわとび教材を複数、開発することができた。
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今後の研究の推進方策 |
若手教員の授業力向上に、体育授業のUDモデルが有効に働くか否かといった観点で、体育授業UDモデルの検証研究を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
こちらでの事務的な計算まちがいでした。26年度の科研に関わる最後の出張は、経費が足りないと判断し、自費で執行しました。学部事務とも確認していたのですが、研究会が1月と2月の年度末であったため、十分な確認がとれないままでした。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は、具体的な授業UDを活用した教材開発などを行う予定です。計画当初に加えて、より多くの授業実践に還元していきたいと考えます。
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