本研究では、小・中学校、高等学校の教員に対してインタビューを行い、体育を教える教員の職能とその発展過程を定性的に検討した。その結果、体育教員の職能は、「豊富な運動経験」「環境・立場」「研修・研究」「同僚」「学習者の変容」「日々の実践の省察と再構築」「過去の職業経験」であることを確認した。加えて、この職能を保健体育専攻の学生及び現職教員がどの程度備えているかについて、質問紙調査により定量的に検討した。その結果、職能は、「授業をする力」「マネジメント能力」「人間的魅力」「子どもへの対応力」「教員として必要な知識」「教育的信念」「危機管理能力」であり、学生も教員も一定程度備えていることが分かった。
|