現代における学校教育の大きな問題点は、科学的な教育プログラムや教育計画に重点がおかれることで、教師と子どもたちの人間関係が希薄化している点にある。さらには、電子メディアの発達やポピュラー・カルチャーによる高揚感の広がりによって、教師と子どもたちの身体からアクチャアリティが喪失される傾向もある。 本研究では、教師と子どもたちが自らの身体を取り戻し、現実感のある「知」を身につけるための教育として、教師と子どもたちが身体的な体験の次元で反省的思考を深め合う「反省的実践」と、身体的存在としての自己を反省する「自己への配慮」という身体教育の可能性があることを明らかにした。
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