研究実績の概要 |
平成28年度は研究3年目にあたり、研究計画通り作業が進み、本研究をまとめるに至った。 まず、昨年度実施した「快感情・不快感情喚起メッセージがタイミング学習に及ぼす影響について」をテーマとした実験では、転移テストにおいて不快メッセージが不安定なパフォーマンスを導いた。この成果を日本体育学会第67回大会にてポスター発表した(Ishikura, T.(2017) Effects of pleasant or unpleasant feedback messages on the learning of timing. Advance in Physical Education, Vol.7, pp1-9.に論文発表) また、「快感情・不快感情喚起メッセージを聞き続けた場合の気分の変化に及ぼす影響」については快/不快感情喚起メッセージを聴取させ続けると、受け手の感情はネガティブに作用する、そしてパーソナリティーの違いが感情の変化の差として現れるという結果が得られた。この成果を日本スポーツ心理学会第43回大会にてポスター発表した(石倉忠夫(2017)運動活動後に指導者から与えられる快/不快感情喚起メッセージの聴取と感情の変化.京都文教短期大学研究紀要』第55集,pp103-112.に論文発表)。 ゴルフパッティングを学習課題とした実験では、快感情喚起メッセージが不快感情喚起メッセージに比べ高いパフォーマンスを示すという仮説を支持することはできなかった。しかしながら、情動喚起メッセージとパーソナリティとの交互作用によって、気分の変化は時系列的な差となって現れることが明らかにされた。この成果は今年度開催される日本体育学会にて発表する予定である。
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