1.指導内容の概念的記述について具体的に検討し、指導内容を視覚化した。 研究課題Ⅰとして、概念的記述による指導内容を具体的に検討した。その成果として、平成20年版小学校・中学校学習指導要領及びその解説、平成21年版高等学校学習指導要領及びその解説をもとに、研究者及び授業実践者と協議を行い、「ゲーム、ボール運動、球技(ゴール型)」を対象として可視化した。表記は、「主部+述部」の文体を基本にした。作成に当たっては、的確な表記になっているかどうか、学年に配列したものが子供の発達段階、ゴール型の運動の学習にとって系統性があるかどうかに留意した。可視化したものが、的確で妥当なものであるかどうかについては今後の検討課題である。 2.指導内容の妥当性を調査及び授業研究により実証的に検証した。 研究課題Ⅰで作成した「指導内容整理表」によって可視化されたものをもとに検討した。検討に当たっては、現場での実証に協力の得られた2つの地域において、学習内容にもとづく授業づくり・教材開発、授業実践により、実証的に検討した。開発した授業は、小学校低学年(第1学年)の「ゲットボール」の単元、「心臓ドキドキ」の単元である。これらの成果を踏まえて、より適切な指導内容を構成していくことが今後の課題である。 本研究で明らかにした小学校第1学年から高等学校第3学年までの指導内容整理表なるものは、今回はゴール型バスケットボールとしたが、一つの領域であっても可視化に取り組まれたものは見当たらない。一覧表として示したことは、学びの保証や資質・能力の育成に向けた授業づくりに貢献するであろう。可視化したことに意義がある。また、それらをもとに、小学校第1学年の2つの単元において授業づくりを行い、実証的に検討を行っていることは、系統性のある指導や体育と保健の関連を持つ意味でも重要な資料となろう。
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