研究課題/領域番号 |
26350739
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
杉崎 範英 明治学院大学, 教養部, 准教授 (10508287)
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研究分担者 |
黒川 貞生 明治学院大学, 教養部, 教授 (60175320)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 内転筋 / 筋電図 / 股関節 / 膝関節 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、平成26年度に引き続き研究③(膝関節トルク発揮が内転筋群の筋活動に及ぼす影響)を行い、また研究①(股関節屈曲角度が股関節伸展および屈曲トルク発揮時の内転筋群の筋活動に及ぼす影響)の予備実験に着手した。 研究③では、男子大学生を対象として、股関節筋力発揮を膝関節筋力発揮の有りおよび無し条件で行った。この際の内転筋群および膝関節筋群の筋電図活動を観察した。またこれに加え、股関節内転筋力発揮時の膝関節伸展筋(外側広筋および内側広筋)の筋形状を、超音波診断装置を用いて計測する付加的な実験も行った。これらの実験からは、膝関節筋力発揮を伴わない場合と比較して、膝関節筋力発揮を伴った場合には、同レベルの股関節筋力の発揮時の内転筋群の筋活動水準が増減する可能性が示された。ただし、この結果には大きな個人差が認められたことや、膝関節伸展筋力発揮時の外側広筋や内側広筋の筋形状は、股関節内転筋群の筋活動の有無の影響を受けないという結果が得られたことから、被験者数の増加も含め、さらなる検討が必要と判断された。 また研究①については、男子大学生を対象に、等速性筋力計を用いた動的な股関節屈曲および伸展トルク発揮を行わせ、その際の内転筋群(大内転筋および長内転筋)の筋活動を股関節屈曲角度ごとに検討した。その結果、一般的な傾向として、股関節伸展位では屈曲方向への筋力発揮時、股関節屈曲位では股関節伸展方向への力発揮時に、内転筋群の顕著な筋活動が観察された。ただし、内転筋の顕著な活動が観察される股関節筋力発揮方向が逆転する股関節角度には大きな個人差や筋間差があり、必ずしも各筋の解剖学的な特徴と一致しない可能性が示された。なお、本結果は予備実験で得られたものであり、被験者数の不足が影響している可能性も大きいと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成27年度は所属先の変更に伴う実験環境の整備が必要であったが、これに想定以上の時間を要した。また、実験機器の準備にあたって、当初の実験装置作成案を修正する必要が生じ、年度内に機器の準備ができなかった。このため、当初計画と比較して研究推進に遅れが生じた。実験環境が整ってきたため、今後は円滑に研究を進めることができると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
研究③の論文を学術誌に投稿するとともに、研究①の本実験、および実験②および④を進める。研究推進に遅れが生じているため、より効率的計画的に研究を進め、最終年度である次年度中にすべての研究を終え、研究成果の発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度に入手を目指した筋力測定装置が年度内に完成しなかったため、次年度の予算で購入することとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は、平成27年度に完成購入予定であった筋力測定装置の購入に使用する。
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