研究課題/領域番号 |
26350740
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小谷 泰則 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (40240759)
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研究分担者 |
大上 淑美 東京工業大学, 社会理工学研究科, 産学官連携研究員 (30456264)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | スポーツ心理学 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、Ventral Attention SystemとDorsal Attention Systemなどの関連性について複数の脳領域との関連性を考慮しながら実験を行った。その結果、Ventral Attention Systemの中でも右半球の前部島皮質(right anterior insular cortex)が重要な役割を担っている可能性が指摘された。ネットワーク解析では、右半球の前部島皮質(right anterior insular cortex)から前部帯状回(anterior cingulate cortex)への連絡が確認された。これらの領域は、Ventral Attention Systemとして機能するだけでなく、Salience Network(顕著性ネットワーク)として機能し、外界の刺激の顕著性(Saliency)を評価しているとされている。またその時間的な変化についても検討したところ、他の脳領域よりも早く右半球の前部島皮質(right anterior insular cortex)と前部帯状回(anterior cingulate cortex)が賦活することが分かった。これらに加えて左半球の中心前回(precentral gyrus)も時間的に早い段階で賦活することが分かった。 さらに、情動を惹起するような刺激と情動的な操作のない条件において脳活動を比較したところ、Ventral Attention Systemに含まれる前部島皮質などの領域が情動を惹起するような刺激の時に活動が高まることが示された。これらのシステムが情動と逆U字の関係にあることを考えると、情動(覚醒水準)を最適レベルに保つことが注意システムの機能保持に重要であることが示唆された。 なお、扁桃体の活動については観察されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度から継続してサンプル数を増加できたこと、また脳領域間の連携(ネットワーク)的機能についても検討することができたことから、おおむね予定通りに進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、予定通りに携帯のアプリケーションの作成を目指す。アプリケーションの作成では、Apple社のiPhoneを対象とする。開発環境は、Apple社の標準のXcodeを開発環境として用いる。主観的な感覚からVetnral Attention Systemの機能を類推し、それをもとに適切な覚醒水準に導けるようなアプリケーションの開発を目指す。
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