研究課題
本研究は,わが国の障害のあるトップアスリートを対象として,個別性を考慮しながら,(1) どのような方略により,心理的競技能力や自己成長が促進されるのか,(2) 関連要因 (障害の種類や障害レベル,受傷時期,受傷経過年数など) がどのように影響するのか,(3) アスリートを取り巻くダイナミックな関係性の中で,どのように心理的変化が導かれたのかを包括的に明らかにすることを目的とした。本年度は,27年度に実施した障害のあるトップアスリート21名を対象とした半構造化インタビュー調査から得られたデータを基に分析を行い,障害のあるトップアスリートの個別性に対応した方略の検討を進めた。インタビューにおいては,理論的サンプリングを用いて対象者を選定した。インタビューで確認した内容は,所属や種目,これまでの競技成績などに関するプロフィールの確認を行い,競技をはじめたきっかけ,競技における心理的な課題,心理的な課題を改善するために実施した方略,ライフワークバランス,競技を通した心理的成長,および国際大会を通した心理的成長などについてであった。競技スポーツへの参加過程において,試合での逆転劇,予想を覆す試合結果,重要な他者との出会い,厳しい訓練の克服などは,多くの選手が体験する出来事である (橋本, 2005).このような,練習や試合の中で体験される,人生の転機ともなるような心に残るエピソードを通して,多くの選手において心理的な成長を遂げた叙述が確認された。また,トップレベルになるにつれ,ライフワークバランスの維持の難しさに関する発話も得られた。
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