研究課題/領域番号 |
26350768
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
須永 美歌子 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (70534064)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 月経周期 / 性周期 / 女性アスリート / 脂質代謝 / 水分貯留 / 減量 / ウェイトコントロール / 体組成 |
研究実績の概要 |
本研究では、月経周期のフェーズによる体脂肪減少量を比較するため、卵胞期と黄体期で頻度が異なるトレーニングプログラムを実施し、その有効性を検討した。なお、本実験は平成28年度に予定しているトレーニング実験のパイロット研究として実施した。 正常な月経周期を有する女性8名(年齢19.9±1.0歳、身長160.8±4.5cm、体重54.2±5.4kg、体脂肪率26.6±5.0%)を対象とし、FP-T(卵胞期に頻度を高める)群4名とLP-T(黄体期に頻度を高める)群4名にランダムに群分けした。FP-T群は卵胞期に週3回、黄体期に週1回、LP-T群は卵胞期に1回、黄体期に週3回、8週間のトレーニングを実施した。運動内容は、50%HRR強度、30分間の自転車運動であった。 トレーニング前後の体重は、それぞれFP-T群トレーニング前52.4±1.2kg、トレーニング後52.5±1.3kg、LP-T群55.6±4.7kg、トレーニング後54.8±4.6kgであり、両群ともにトレーニング前後で有意な差は認められなかった。しかしながら、トレーニング前後の体脂肪率の変化量は、それぞれFP-T群-4.3±5.3%、LP-T群-0.3±2.1%であり、LP-T群と比較してFP-T群において有意な減少が認められた。以上のことから、月経周期のフェーズによってトレーニング頻度を変えることで体組成の変化に影響を与える可能性があると示唆された。今後は、被験者数を追加し、性ホルモンや食事によるエネルギー摂取量との関連性についても合わせて検討すべきであると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度は、「月経周期を考慮した体組成変化に貢献するトレーニング条件の検討」に関するパイロット研究を実施した。それによって、月経周期を考慮した体組成管理法開発の妥当性を確認することができた。しかしながら、被験者の選定が難航したため、当初の計画よりもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの実験によって、月経周期の各フェーズで運動頻度を変えることが体組成変化に影響を与えることを確認した。今後は、被験者を追加し、性ホルモンやエネルギー摂取量との関連性についても合わせて検討することによって、月経周期を考慮した脂肪燃焼プログラムを開発する。さらに、研究で得られた成果は、女性アスリートやその指導者を対象とした講演で普及させることを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画では、被験者を20名としていたが、被験者の選定が難航したため8名の実施となった。そのため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
被験者を追加するため、その謝金として使用する。さらに、採血関連消耗品の購入、実験補助者への謝金として使用する予定である。
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