研究課題/領域番号 |
26350770
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
中川 喜直 小樽商科大学, 商学部, 教授 (80201664)
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研究分担者 |
山本 敬三 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 教授 (00405698)
竹田 唯史 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 教授 (10320574) [辞退]
相原 博之 東海大学, 国際文化学部, 教授 (80192839)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アルペン / 足圧荷重 / 足圧中心点 / イメージ / 荷重配分 / 大回転 / ゲート / スキー |
研究実績の概要 |
スキー競技滑走では、より速く滑走するためにブレない姿勢で安定した重心を保持しコースを滑る。足裏感覚としては、足裏へ位置情報を意識して滑走する選手もいる。内脚と外脚への荷重については、ターン中に外スキーへの荷重移動が起り、横方向の荷重配分(外:内)を意識して滑走することもある。イメージを改善し技術を研鑽することは技術の向上にとって重要なことであるが、先行研究においてイメージと実測について検討した報告はあまり見当たらない。本研究では、大回転種目における技術戦略の一つとして、足裏感覚を切り口にアルペン日本トップクラスの選手を対象に足裏感覚(イメージ)と実測値について調査した。 日本トップ選手一名のイメージは、ターン局面すべてにおいて両スキー均等に乗るイメージを心がけており、荷重配分比は常に5対5であった。実測比についてみると、切換前期において内脚にやや高い荷重配分が認められ、切換期には外脚への50%を超える荷重配分の移動が認められる。外脚への荷重配分はターン前期には68%に達し、ターン中期まで外脚荷重比の68%が維持されている。最大荷重のピーク時は、内脚の荷重配分比が32%であった。引き続きゲート通過後には内脚への荷重配分比の増加(36~43%)が認められ、内脚荷重の依存が高まる。 外脚と内脚の最大荷重はほぼ同時にみられるが、やや内脚のピークの出現が遅れている。また、内脚荷重の荷重依存は外脚に比べて低い。 足圧中心点(COP)イメージは切換期に足裏前部に乗るイメージから始まり、ターン前期からはセンター部に、ターン後期は踵に乗るイメージである。実測値のCOPの移動は、概ね踵から110mm~155mmの範囲に移動し、規則性があまり認められない。踵から85mm程度までが踵部の範囲を示し、COPの移動範囲はセンター部から足裏前部に認イメージと相違していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的にそった研究がすすめられ、方法ではやや手法を変えているものの、予定としている結果が得られた。アルペンGS競技においてトップ選手はより直線的なラインで短いエッジングによってスキーをコントロールしている。ブレない姿勢で安定した重心を保持しコースを滑るためには、外脚と内脚スキーへしっかり荷重し、足裏の位置情報を正確に伝える感覚が必要となることがわかった。本研究では実測値とイメージの知見を得て、技術論を構築する切り口となる基礎資料を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
スキーターンにおける足圧荷重と足圧中心点についてイメージと実測値の比較研究を推進する。
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