• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

地方自治体におけるスポーツ政策に関する日独比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 26350771
研究機関順天堂大学

研究代表者

黒須 充  順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 教授 (50170121)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード地域スポーツ政策 / 地域スポーツクラブ / 日独比較研究
研究実績の概要

今年度は、我が国の自治体を対象に、以下の3つの観点から地域スポーツ政策の現状について調査を行った。
①スポーツ振興と自治体の発展に関する連関モデルの作成:スポーツ振興の諸目標は、総合計画に含まれる諸目標と重なることが実証されている。つまり、スポーツとは、教育、健康、福祉、産業、情報、環境保全、文化、暮らし、まちづくりなど、多様な社会的・文化的施策の中に組み込まれた形で、様々な社会問題の解決に寄与する可能性があることについて調査研究を進めた。
②自治体におけるスポーツ政策ネットワーク:学校、企業、行政、体育協会、スポーツ振興事業団、レクリエーション協会、スポーツ推進委員、地区スポーツセンターなど、地域スポーツ推進の担い手間のネットワークと自立した組織への変革の可能性について、関係者・関係団体にヒアリング調査を行った。その結果、スポーツ政策の目的を達成し、成功させるためには、住民、企業、行政、スポーツ関係団体の間での相互協力関係の構築によって形成されるネットワークが極めて重要であることが明らかとなった。
③ アンケート調査の実施:「地方スポーツ推進計画」の策定に向け、市町村議会、市町村長、スポーツ課、その他の部局(例:健康増進課、青少年課、社会福祉課等)、スポーツの統括団体、スポーツクラブと会員、スポーツに関連した組織(例:健康保険組合、社会福祉協議会、青少年センター等)、スポーツに関心を持つ市民等を対象としたアンケート調査の作成を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は、日独の地域スポーツ推進に関わる主要な担い手(プレイヤー)を対象に各種調査を行い、地方自治体におけるスポーツ振興計画策定と自治体の総合計画の関連について検討することにある。
今年度、日本のスポーツ振興計画の作成プロセスに関する調査を行ったところ、自治体の決定権者、スポーツ団体の代表、関係する市民などからなる「スポーツ振興計画策定委員会」等が、計画策定のプロセスに影響を及ぼす点が明らかとなった。加えて、地方自治体の総合計画におけるスポーツ方策は、スポーツ振興方策が階層的に構成されている一方で、その周縁にはその他の多様な政策分野(たとえば、学校政策、青少年政策、健康政策、社会福祉政策など)の下位項目としてのスポーツ関連方策が分散しているという現状も明らかとなった。
次年度は、ドイツの地域スポーツ政策について、市民間の合意形成を行う場としての「スポーツ・ダイアローグ」に着目し、調査研究を進めたい。

今後の研究の推進方策

ドイツにおける地域スポーツ政策の現状を把握するため、ドイツ中西部に位置するライン・ノイス郡を対象に関係者からヒアリング及び実地調査を行う。ノルトライン・ヴェストファーレン州に属するライン・ノイス郡とは、ドルマーゲン市、グレーベンブロイヒ市、ユッヘン町、カールスト市、コルシェンブロイヒ市、メーアブッシュ市、ノイス市、ロマースキルヒェン町の8つの市町からなる人口約44万人の都市である。
本研究では、まずライン・ノイス郡のスポーツ推進に関わっている関係者、関係団体に対して、ヒアリング調査及び実地調査を行い、①スポーツ振興と都市の発展に関する連関モデルの作成、②地方スポーツ推進計画の開発、③スポーツ振興の主要な担い手(プレイヤー)間のネットワークの構築、④スポーツ行政の改革に向けた具体的な方策の検討を行う。
また、スポーツ振興計画作成の手順を中心に、自治体がスポーツ振興において重要な役割を果たしていることについて、①市民がどれだけ熱心にスポーツや運動をする権利を主張するか、②自治体のスポーツ行政が、スポーツの分野自体でも、またスポーツの枠を越えた他の自治体行政分野(健康増進課、青少年課、社会福祉課など)との関わりでも、どの程度調整機能を発揮しているか、そして③市議会ないしは町村議会のスポーツ専門委員会、更には④「スポーツ振興審議会」がどのような位置を占めているか等についても明らかにしたい。

次年度使用額が生じた理由

旅費が予算より少なく済んだため。

次年度使用額の使用計画

旅費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [学会発表] 介護予防運動教室参加者の運動行動と体力との関係2014

    • 著者名/発表者名
      安田俊広・黒須 充
    • 学会等名
      第69回日本体力医学会大会
    • 発表場所
      長崎大学文教キャンパス
    • 年月日
      2014-09-19 – 2014-09-21
  • [図書] ドイツに学ぶ 地方自治体のスポーツ政策とクラブ2014

    • 著者名/発表者名
      3)クリストフ・ブロイアー・黒須 充編著
    • 総ページ数
      207
    • 出版者
      創文企画
  • [図書] スポーツ・コモンズ~総合型地域スポーツクラブの近未来像2014

    • 著者名/発表者名
      4)黒須 充・水上博司編著
    • 総ページ数
      199
    • 出版者
      創文企画

URL: 

公開日: 2016-05-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi