研究課題/領域番号 |
26350773
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
仙石 泰雄 筑波大学, 体育系, 助教 (30375365)
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研究分担者 |
吉岡 利貢 環太平洋大学, 体育学部, 講師 (60508852)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 水泳運動 / 筋活動量 / MRI |
研究実績の概要 |
最終年度である平成28年度の研究では男子大学競泳選手2名を対象とし,近代4泳法を泳いだ際の筋活動量をMRIを用いて分析した.初めに対象者の安静時のMRI撮像を行った.その後,指定したウォームアップを行った後に,200m全力泳試技を行った.試技終了後,直ちに対象者をMRI室へ担架で運搬し,運動直後のMRI画像を撮像した.撮像は永久磁石式全身用MRI装置 (G-scan brio,Esaote社製) を用いてT2強調画像の撮像を行った.被験筋は上腕二頭筋,上腕三頭筋,腹直筋,脊柱起立筋,大腰筋,腹斜筋群,大腿二頭筋,大腿四頭筋,内転筋群とした.各種目における安静時-運動後のT2値変化率から筋活動量を評価した.対象者間で共通して,クロール泳では腹直筋,バタフライでは上腕二頭筋と腹直筋,背泳ぎでは上腕二頭筋,平泳ぎでは脊柱起立筋の筋活動量が高かった.また,対象者間で同じ泳法を泳いだ際により泳速度が高かった試技の筋活動量を分析したところ,クロール泳では上腕二頭筋と大腿四頭筋,背泳ぎでは脊柱起立筋と大腿二頭筋,平泳ぎでは内転筋の活動量が高い特徴が観察された. MRI画像から分析した筋活動量は,研究課題IIにおいて筋電図を用いて分析した,全力泳中の筋活動量とは異なる傾向が観察された.これは,運動強度の違いが影響しているとともに,MRI画像を用いて筋全体の活動量を定量化することにより,筋電図法では分析することができない深層部の筋活動量が評価できたこと示していると考えられる.特に,大腰筋のような深層筋は,MRI画像を用いることによってのみ評価できることから,本研究で明らかとなった4泳法中の筋活動量の特徴は,競泳のトレーニング現場や水泳の泳法指導現場において今後有効に活用できる知見であると言える.
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備考 |
日本スイミングクラブ協会が登録クラブ(全国1070クラブ)の会員に向けて科学情報を発信しているJSCA電子かわら版に本研究内容を掲載した.
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