研究課題/領域番号 |
26350775
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
奥田 睦子 金沢大学, 経済学経営学系, 准教授 (90320895)
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研究分担者 |
横山 壽一 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (10200916)
高橋 涼子 金沢大学, 人間科学系, 教授 (80262541)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 総合型地域スポーツクラブ / NPO / 社会経済セクター / 障害者 / ドイツ / スェーデン |
研究実績の概要 |
日本における障害者の参加する総合型地域スポーツクラブが、社会経済セクターとして位置づく可能性を検討するため、クラブ先進国であるドイツと日本の地域における障害者のスポーツ発展システムに関する比較を行った。その結果、ドイツでは障害者の地域クラブにおけるリハビリテーションスポーツ参加に際して医療保険が適用されている背景には、障害者の社会参加や社会的包摂といった平等思想の高まりや、社会連帯に基づく相互扶助の考え方、当事者組織からの働きかけ(ボトムアップ)が基盤としてある一方で、日本ではいくつかの国際的な障害者スポーツイベントをきっかけとして、国家主導によって地域の障害者のスポーツ発展システムが構築されてきていることが明らかとなった。これらのことを踏まえ、障害者の参加する総合型地域スポーツクラブが社会経済セクターとして位置づくためには、スポーツそれ自体やスポーツクラブが、地域住民(障害者を含む)よるボトムアップによってつくられた「みんなのもの」となっていくこと、また、障害者の権利条約や障害者差別禁止法等の広がりによる社会的包摂の機運の高まっていくことが必要であると考察された。 また、本研究では障害者スポーツ指導者がガイドヘルパー制度を活用して総合型地域スポーツクラブで障害者へのスポーツ指導を行うことで、クラブ、障害者、指導者のいずれにも経済的負担が小さく、持続可能な障害者へのスポーツ指導の仕組みの構築を目指すが、同時に、指導者からの質の高いスポーツ指導の提供も目指している。そこで、ドイツにおけるリハビリテーションスポーツ指導者養成制度の概要を明らかにした上で、日本の障害者スポーツ指導者養成制度との比較を行った。その結果、日本の障害者スポーツ指導者は、障害・疾病別に専門特化された養成形態ではないことから、指導が不得手な疾病・障害もあるのではないかと考察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ドイツおよびスェーデンの事業型NPOによる他セクター・他組織との協働による有償の福祉サービス提供事例について、十分な情報収集ができていないことによる。
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今後の研究の推進方策 |
ドイツおよびスェーデンの事業型NPOによる他セクター・他組織との協働による有償の福祉サービス提供事例について、H27年度に情報収集を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
H26年度のドイツにおける資料収集が、申請者と受け入れ先の予定が合わず実施できなかったことにより、旅費が約340,000円次年度に繰り越された。また、次年度の国際学会での発表申込みを行っているが、セレクションの結果が出ていない。結果が出てから参加申し込みを行うため、約40,000円繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
ドイツにおける資料収集について、H26年度分をできるだけ早い時期に行うことにより、H27年度は年度内に2回実施する。 国際学会での発表申込みについてリジェクトされた場合には、国内での学会発表に振り替えて行い、その際の旅費とする。
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