研究課題/領域番号 |
26350780
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
川西 正志 鹿屋体育大学, その他部局等, その他 (50177713)
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研究分担者 |
萩 裕美子 東海大学, 体育学部, 教授 (20237902)
野川 春夫 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (70208312)
北村 尚浩 鹿屋体育大学, その他部局等, 准教授 (70274868)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 子ども / 体力向上実践地域 / 総合型クラブ / 貯筋運動 / QOL |
研究実績の概要 |
本研究では,これまでの研究成果を踏まえ,「子どもの体力向上実践事業」実施地域の学校や総合型地域スポーツクラブにおける簡便な筋力トレーニングを中心とした運動実践プログラム(子ども貯筋運動)による子どものQOL への影響を明らかにすることを目的としている.本研究では歌に合わせて実施される運動介入プログラムとして,スクワット運動96回の貯筋運動子ども版に改良し,約3ヶ月間の運動介入を行い,その前後における効果を検証した.なお,本研究は宮崎県K市教育委員会の協力を得て,調査及び測定実施前にインフォームド・コンセントを行った. 調査対象はK市内のスポーツクラブに在籍する4年生から6年生の児童61名とその保護者を対象とした.市内の総合型クラブでの対象会員が少なく,市内の児童のスポーツクラブ(少年団等)の児童を介入群40名(陸上競技所属)と対照群21名(サッカー,バスケットボール所属)に分けて検証を行った. 事前測定・調査(Pre)を2015年11月,介入後測定・調査(Post)は2016年2月に行った.介入前後には,体力測定,ライフコーダによる身体活動量測定,質問紙調査を実施した.介入群は3ヶ月間平日のクラブ練習時及び自宅で子ども貯筋運動を行い,対照群は普段通りの生活を送ってもらった. 調査及び測定内容は身体・体力測定,身体活動量,QOL等の質問紙調査を実施した.QOLはVarniらが開発したPedsQLTM (Pediatric Quality of Life Inventory)の小林・上別府(2010)による日本語版を利用した.対象となるサンプルは前後の質問紙調査のデータが揃った46名(介入群30名,対照群16名)である. QOL調査結果からは,児童自身は概ね身体的側面への改善効果について肯定的な評価を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
K市教育委員会の協力を得て全ての調査・測定が実施されたが,対象者の保護者の一部では本研究への協力体制が必ずしも十分と言えず,体力測定及び質問紙調査は介入前後に児童と保護者において実施されたが,前後のデータが欠落した者もいた.しかしながら,本研究では,子どもの貯筋運動介入によるQOLの改善効果の検証レベルに十分な結果を得,今後の詳細な分析に耐えうる測定・調査が実施でき,おおむね当初予定が達成された.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は,これまでの学校での同様の研究デザインで実施した研究データを加え,多角的な分析を実施して,貯筋運動による子どものQOL改善の検証をまとめる.それらを学会発表や研究誌への投稿を実施するとともに,今回の対象者への結果説明や改善点などについて教育委員会等に報告する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の海外での成果発表スケジュールがデータの収集時期で間に合わなかったのと,海外での資料収集等も測定準備のため計画通り実施できなかった.また,データ収集に関した当初予定の測定旅費も,研究測定が近くの場所で実施できたため予定より少し余裕がもて,次年度に繰り越しすることになった.
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は,海外学会での資料収集や国内学会発表のための旅費や学会誌への投稿をするための分析作業に伴うアルバイト謝金,さらには,昨年度実施協力をしていただいた対象者への結果説明等や研究全体のまとめ等の打合せに関する研究旅費を主な使用計画としている.
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